枝垂れ桜の下で逢いましょう【地縛少年花子くん】 (ページ34)

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参拾壱ページ34

お父様と別れて、元の場所へと戻った私は月夜様と向き合っています。

月夜「覚醒してしまったのね…」

「はい。それが、私の望んだことです。優しい夢はもう、終わらなければいけません……月夜様、貴女を作ったのは誰ですか？」

月夜「ふふふ…秘密ですわ。私は貴女の側面として作られた怪異けれど、全面的に味方ではありませんもの」

「いいえ。十分に味方してくださいました。今もあの時はありがとうございます。」

月夜「あぁ…キレイな貴女。また、どこかで逢いましょう？」

短い間でしたが、味方しようとしてくれるその手段は間違っていました。けれど、私に味方してくださった優しい月夜様いつか、いつかまた逢えるような気がします。
消えかかっていても尚私を待っていた様な月夜様は、ついに泡の様に消えてしまいました。
それと、同時に意識が差し込んだ光に吸い込まれて…光の眩しさに目をつむり再び開けると、あまねさん？のお顔が目に入りました。目が見えている。

「何故、ここに？源さん達はどちらに？」

花子「A！！よかった。本当によかったっ」

寧々「おかえりなさいAさん！！一時はどうなるのかって心配したんだよ」

つかさ「おはようA！すっかり元通りのようでよかったヨ」

再度周りを見渡すと少し離れたところに源さん達はいらっしゃいました。どうやら大きな怪我はなさそうで安心いたしました。
あまねさん達には心配させてしまったようです。本当は、確認の為に源さんと外に出ていただけですし…つかささんは偶然？ではなさそうです。
まだ、うまく動かない身体にされるがままになっているところへ懐かしい声がかかる。

楓「久しぶりねA、待っていましたよ。貴女が覚醒することを…」

「お母様、お久しぶりでございます。わがままを叶えてくださり感謝しております。」

楓「可愛い娘の為ですもの。でもごめんなさいね…あれの復活が近い以上無理矢理にでも、覚醒してもらうしかなかった。貴女についていた噂には驚いたわ、それも早めさせてもらった原因なんですけど」

「はい。あれの復活は阻止しなければならないのはお爺様の…いえ、この世界の為。」

再会の挨拶もそこそこに、お父様とも確認した人物の話をお母様と話す。
あれつまり、私を死に追いやった晴明の復活が近い。
だからこその花開院さん達なのだ。

花子「A…何を話してるの？あれの復活って？」

「……」

真斗「とーってもやばい妖怪のことや」