No.4 ページ4
・
｢エンデヴァーさん、“死神”って、ご存知です？｣
事の始まりは、厳戒態勢の中ではあったが雄英高校の体育祭が無事終了し、本格的に脳無の捜索が始まった時であった。
九州を拠点にして活動するホークスとの情報共有で、名古屋を訪れた時、開口一番、ホークスは巫山戯た言葉を口にした。
｢“死神”･･････？｣
｢そうです。デス・ゴットです｣
｢喧しい。早く詳細を説明せんか｣
｢相変わらずせっかちやなあ｣
ホークスが言うには、今年の四月くらいから、ヴィランの間でとある“何でも屋”が流行っているのだという。
誘拐、拷問、堅気を巻き込む依頼はご法度。それさえ守れば、殺しだろうが盗みだろうが何でもこなしてくれる。
依頼者は愚か、“何でも屋”の正体すら完全に闇に燻らせたまま依頼を遂行する圧倒的な手腕に、多くのヴィラン団体が目をつけているのだとか。
かの何でも屋の暗殺対象が生き延びた前例はなく、噂に尾が引いた結果、
｢“死神”、か｣
｢ええ。依頼の条件だけを聞けば極道だとしてもおかしくないんですが、何せ殺害対象がてんでバラバラ。共通点がなくて、本当に依頼の為だけに動いてるって感じなんです｣
四月になって噂が裏社会を席巻する様になった中、“死神”の犯行だと目されている容疑は殺人が四件、傷害が二件。その中で警察が捜査に入れたものは、殺人の一件。それも、既に死後三日が経過した銃殺体の司法解剖と、死体が見つかった現場周辺の鑑識のみで手掛かりは一切掴めなかった。
｢脳無の件といい、先が思いやられるな･･････｣
｢ははは、その為のヒーローですからねえ。とはいえ、幾ら“死神”が一般市民に危害を加えないからと言って、いつ悪影響を及ぼすか分かったもんじゃない。直に公安から依頼が来るとは思いますが、一応ヴィランの動きを注視してて欲しいです｣
薄ら笑みを浮かべた“速すぎる男”に、エンデヴァーは小さく頷いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 241人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リサ(プロフ) - とても面白いです。続き楽しみにしてます！ (2021年12月7日 20時) (
レス) @page14 id: 942b3344d9 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 面白いです！続き待ってます！！ (2021年12月7日 11時) (レス) id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
クレア - 文が多いのにスラスラ読めて楽しい小説ですね、ここ(占ツク)に少ない雰囲気の作品なので、ちょっとラッキーな気分です(笑)！こういうの、私は好みですよ。 (2021年12月7日 9時) (レス) @page4 id: 730c5fdade (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エリンギ(サブ垢) | 作成日時：2021年12月6日 18時
