No.29 ページ29
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｢エンデヴァーにイレイザーヘッド、エッジショット、ホークス、ラモンディゴまで揃っても逃げ切られたとなれば、仕方がありませんね｣
｢あの班長、声音に遺憾しかないんですけど｣
｢バッ！ホークスあいつをディスんのだけはやめとけって｣
｢なんでです？｣
｢多分えらいから｣
｢聞こえてますからね。ラモンディゴ、ホークス｣
コソコソと口元を手で隠していたホークスと藍瀬の肩がビクリと震えた。因みにラモンディゴとは藍瀬のヴィラン名である。
トップヒーローと公安直属の暗殺者がチームアップをして行われた“死神”捕獲作戦同日の午後八時半。
現場から程近い公安の保有する施設の会議室はお通夜会場と化していた。
“死神”を取り逃がした。
なまじメンツがメンツなだけに、その失望感は重い。
特に急所を蹴られて失神したエッジショットは、目を覚まして作戦失敗を知ってから、一度も口を開いていない。
｢ホークス、お前よく軽傷で済んだな。目の前で爆破されたんだろ？｣
｢いやあ、あれも手加減されてましたねえ。もろに食らってたら即死でした｣
泥沼に浸かったかのような重い空気を全く読まずに話す藍瀬に、ホークスは苦笑いした。
そう、この作戦失敗において、何が一番大事か。
十五歳の少女に、手を抜いてもらっていたという所である。
｢個性の解析はどこまで進んだんですか？｣
｢今現場の残留物を科捜研に依頼しています。我々の見解では、発火系の個性かと｣
｢だろうな。だがそうなると、あの身体能力は素という事になるが｣
個性で強化し、体重を乗せた打撃を痩せさらばえた体躯で受け止めて見せた“死神”の膂力を知っているエンデヴァーの言葉に、藍瀬も苦虫を噛み潰したような顔をした。
｢アレやばいよなあ。イレイザーが個性抹消したから大丈夫とか思ってたら大変な目にあった｣
最後空を飛んで逃走した時も、半ば信じ難い加速度だった。個性柄耐火性を備えたエンデヴァーの身体の様に、“死神”にも負荷に耐えられる肉体が備わっているのかもしれない。
兎に角、全てが予想外の結果であった。
その後も情報交換が続いたが、どれも“死神”の脅威を再確認するのみで、殆どの結果は鑑定待ちという結論に至った。
｢今回の結果は、ヒーロー公安委員会の本会議にかけます。負傷した方もいらっしゃいますし、今日はお開きにしましょうか。科捜研の鑑定結果などは後日暗号通信で送らせていただきます。皆さん、お疲れ様でした｣
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リサ(プロフ) - とても面白いです。続き楽しみにしてます！ (2021年12月7日 20時) (
レス) @page14 id: 942b3344d9 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 面白いです！続き待ってます！！ (2021年12月7日 11時) (レス) id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
クレア - 文が多いのにスラスラ読めて楽しい小説ですね、ここ(占ツク)に少ない雰囲気の作品なので、ちょっとラッキーな気分です(笑)！こういうの、私は好みですよ。 (2021年12月7日 9時) (レス) @page4 id: 730c5fdade (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリンギ(サブ垢) | 作成日時：2021年12月6日 18時
