No.17 ページ17
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｢だいたい何でも気にいらないんだけどさ、一番腹が立つのはヒーロー殺しさ｣
語り出しが既にコミュ障のテンプレみたいな死柄木は、陶然と肩を組んだ相手に話し始めた。
ヴィラン連合として同時期に世間を騒がせた事件を起こした死柄木とステインであったが、何故か注目されているのはヒーロー殺しのステイン。
動機は何であれ、結局した事は死柄木とそう変わりないはずなのに、何故か世間の注目はステインに集まっている。
死柄木の隣に座っている男の子はミドリヤというらしい。
死柄木の個性は｢崩壊｣。五指に触れたものはもれなく粉塵と化す。
首に四本指をかけられた恐怖や緊張に上擦った声で、ステインと自分の本質的な違いを問い質す死柄木に、ゆっくりと答えを紐解いていく。
｢何が違うかって？僕は、おまえの事は理解も納得もできない。ヒーロー殺しは納得はしないけど理解は出来たよ。僕もヒーロー殺しも、始まりはオールマイトだったから｣
ステイン。ヒーロー殺し。
彼が捕えられる前に残した最後の絶叫は、動画となって多くの人間の元に拡散され、社会を震撼させた。
オールマイトという理想のヒーローを尊び、今の腐敗したヒーロー社会を唾棄する思想が、心に一物抱えていた若者に刺さり、今も不穏な動きが収まらない。
｢少なくともあいつは壊したいが為に壊してたんじゃない。徒に投げ出したりもしなかった。やり方は間違ってても理想に生きようとしてたんだと思う｣
理想をもった人殺し。とんでもないな、とAは思う。
大義を持てば、まるでその殺戮があたかも必要であったかのように正常バイアスがかかってしまう。そうなったら最後、どこまでも堕ちて行く。
一般人やヒーローには手を出さない。
Aが己に課した、最後のボーダーラインだ。
｢ああ、何かスッキリした。点が線になった気がする｣
緑谷の言葉に、死柄木の声は興奮を押し殺した様に高くなった。
｢何でヒーロー殺しがムカツクか、何でおまえが鬱陶しいかわかった気がする。
──────全部、オールマイトだ｣
ぞわり。身の毛がよだつ。
マジかよ、と口元がひくついた。
義爛、と今頃“地下”で武器でも売り捌いているのであろう男に心の中で悪態をついた。
コイツ、マジでイカれてんぞ、と。
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リサ(プロフ) - とても面白いです。続き楽しみにしてます！ (2021年12月7日 20時) (
レス) @page14 id: 942b3344d9 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 面白いです！続き待ってます！！ (2021年12月7日 11時) (レス) id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
クレア - 文が多いのにスラスラ読めて楽しい小説ですね、ここ(占ツク)に少ない雰囲気の作品なので、ちょっとラッキーな気分です(笑)！こういうの、私は好みですよ。 (2021年12月7日 9時) (レス) @page4 id: 730c5fdade (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリンギ(サブ垢) | 作成日時：2021年12月6日 18時
