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『みやびちゃん!』
「あ?なんだよやんのか?」
「おめぇもすっこんでろよ!」
「ほら早く帰れよ!」

渦中の場所に着けばもうみやびちゃんはいない。けれども私はこの女達に用があるんや。
可愛いみやびちゃんを傷つけた罰は必ず受けてもらわなければ。
殴りかかろうとしてきた手を押さえ込み頭にハイキックを食らわす。

『かかっておいでよ』

3対1であるにも関わらず結果は私の勝ち。
敵とはいえ女の子やから顔やお腹にはなあんもしない、その分頭に回し蹴りをして終了。
1回抵抗されて頬に爪が当たった、ピリッとした痛みがあるから切れたかなぁなんて戻りかけながら思う。
大沢くんに「な、なんだこらやるか!?」って言われたから一睨みすれば黙った。お飾りの大将か、可哀想。

「まつ!」
『え、利家くん』
「怪我ないけ!?」
『あ、ここだけ…』
「はあ、よかった…」
『わ、』

何が起こっておるのやろうか。
紫色と肌色がすぐ目の前にあり、利家くんの匂いがぐっと近くなる。頭に回る手と腰元に回る腕に困惑する。
私今、抱き締められてる?

『と、利家くん…?』
「心配した…」
『ご、ごめんね?』
「保健室行くぞ」
『え、でもただの切り傷…』
「女の子の顔に傷が残ったら大変やろ」

大きな手で頬を包まれ、目線を合わせてそう言われれば赤面する顔を背けもできず見つめ合うしかない。
八の字になりよった眉を見て観念したと分かったのか、ニカッと笑って私の手を取り保健室へ連行する彼。
その背中に胸が高なる。

「あら!顔に傷!」
『爪で引っかかれちゃって』
「消毒しておこうネ!」
『いたっ、艶本先生痛い!』
「我慢しろまつ」
『利家くんでら笑ってる!』
「ふはは」
「仲良しネ、いいこといいこと」

教室に戻ればみやびちゃんが武田くんに助太刀致すと加勢しており、豊臣くんが飛んで出ていった。
私も向かいたかったが、利家くんに手を取られ大人しく座ることに。

「大人しゅう座っとってくれ」
『はあい』
「まつちゃん、いい蹴りだったね」
『え、見てた?恥ずかしい…』
「こっちは大盛り上がりだったよ」

急に映像が映らなくなり、状況がなあんも確認出来ない。
みやびちゃん、大丈夫かな…
気付けば魔村さんが武田くんの勝利宣言をして法螺貝で閉幕したんや。
謎の時間への疲れと武田くんの勝利への安堵で胸を撫で下ろす。
みやびちゃんにはちょびっとだけお説教かな。

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パンダ - 前田大好きなので応援してます (2022年10月8日 10時) (レス) @page22 id: 463b37ca19 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 久しぶりの投稿ありがとうございます!!これからも応援してます! (2022年10月7日 23時) (レス) @page22 id: da4f381cbe (このIDを非表示/違反報告)
naな(プロフ) - 私も前田くん好きなので、楽しみにしてます!頑張ってください! (2022年10月4日 22時) (レス) id: 948a9abe41 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの権左ブロウ - 頑張ってください!応援してます (2022年8月20日 0時) (レス) @page21 id: e25671cd6c (このIDを非表示/違反報告)
あいる(プロフ) - 私も前田くん好きなので楽しく読ませてもらってます!更新楽しみにしてます♡ (2022年8月15日 23時) (レス) id: 8e4d5cdfdc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しろ | 作成日時:2022年8月8日 17時

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