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織田くんの後を追ってみやびちゃんに手を引かれ、向かった先はホールの吹き抜け2階。
そこには加藤くんとジャージ集団、伊達くん毛利くん利家くんと、豊臣くんの姿。

『利家くん…』

ちびっとばかり疲れたように見えるが、怪我もなさそうで無事な彼の姿に胸を撫で下ろす。
ほんな私を見てか豊臣くんの心配か、はたまたどちらもかは分かれへんがみやびちゃんは繋いだ手を離さない。寧ろ繋ぐ力が強くなっていく。

「本当は俺にビビっとっとじゃなかとね?あんた達は全員手負い、そいで本当に俺に勝てると思っとうか!?」
「秀吉!この卑怯者の猿が!」

"卑怯者"その言葉に苦い顔で目を瞑る豊臣くん。一歩出る伊達くんを引き止め、俺にやらせてくれと何ぞを決意した顔。
ほんでもアンタ相対した途端殴られ放題の豊臣くん。

「殴られ放題、春のフルボッコ祭りだ」
「もう見てらんねぇよ!」
「行くぞ」
「来んな!これは…俺の戦いや!」

意味深長な面持ちで豊臣くんを見る織田くんと、心配に顔を歪めるみやびちゃん。目も当てられへんほど殴られる豊臣くんに、私も顔が歪むのがわかる。
ほんでなも、顔付きの変わった豊臣くんを見て希望がちびっと見えてくる。

「俺は…変わるんや…」
「お前…よか男くさ」

みやびちゃんの手が離れたことも気になれへんほど集中して見入る。何度倒れても、何度殴られても立ち上がる豊臣くんはかっこええ。

「負けると思えば負ける…勝つと思えば、勝つ!!」
「あの言葉は農民から天下人に成り上がった、豊臣秀吉の名言」

加藤くんのとどめの膝蹴りが入り、立ち上がることが出来へん。
残り30秒、立ち上がったら豊臣くんの勝利。もし立ち上がれんかったら…
その瞬間、吹き抜けの2階にも関わらず織田くんがホールに飛び降りる。

「痛い…」
『当たり前でしょ…』

口では冷静に言いながらも、身を乗り出して下を見てしまう。残り時間はほんの僅か。
織田くんが倒れ込む豊臣くんに耳打ちをする、

「あぁ〜!あん時の!」
『立った…!』
「立てたな、うつけが」

織田くんが何を言ったかは分かれへん、ほんでもそれによって立ち上がった豊臣くんはタイムアップにより勝利が決定した。

「時間です。豊臣秀吉くんの勝利」

倒れ込む彼を助けたのは加藤くん。ほんで利家くんと毛利くんに支えられながらふわふわと笑う豊臣くんを見て、涙を流しどこぞへと走っていくみやびちゃん。
私も階段を下りて皆と合流しよう。

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パンダ - 前田大好きなので応援してます (2022年10月8日 10時) (レス) @page22 id: 463b37ca19 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 久しぶりの投稿ありがとうございます!!これからも応援してます! (2022年10月7日 23時) (レス) @page22 id: da4f381cbe (このIDを非表示/違反報告)
naな(プロフ) - 私も前田くん好きなので、楽しみにしてます!頑張ってください! (2022年10月4日 22時) (レス) id: 948a9abe41 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの権左ブロウ - 頑張ってください!応援してます (2022年8月20日 0時) (レス) @page21 id: e25671cd6c (このIDを非表示/違反報告)
あいる(プロフ) - 私も前田くん好きなので楽しく読ませてもらってます!更新楽しみにしてます♡ (2022年8月15日 23時) (レス) id: 8e4d5cdfdc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しろ | 作成日時:2022年8月8日 17時

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