あの人の妹は燕戦士！ (ページ15)

今日:19 hit、昨日:17 hit、合計:135,800 hit

エースvsエースページ15

『っと……やっぱりコントロール良いな。羨ましい。』

6回、ツーアウト満塁のチャンス。塁にはヤクルトが誇るイケメンコンビ、てっぱちくんと川端さん。さらには青木さんまで。

打たないとファンに恨まれるな。←

マウンドには私の因縁の相手。ジャイアンツのエース、菅野智之。

『女だからってなめんな。』

目標だった智之からのホームラン。それを今、達成するとき。

手に持ったバットはいつの間にかバックスクリーンを指していた。

Ys5(A、マジか！？)

Ys23(おぉ、やる気じゃん！行け、A！)

Ys1(行け、いつもの全力で行け！Aならできる！)

ありがとう、3人とも。

私が全力で行けば良い。

全力に勝る武器はない。

ど真ん中に来た豪速球。普通なら見逃しか、ファール、平凡なゴロで終わる。

でも、私は普通じゃないからね？

バットの真芯に当て、全力のフルスイング。

白球は風を切り裂き、バックスクリーンへ、

ちょうど、バットが指していた場所に。

『(あ……スクリーン壊した。)』

力が強すぎて、ボールが当たった場所は照明がついていなかった。

『あ―、やっちゃった。』

悪いことでもないのに、なんだか謝りたくなった。

三塁のベースを踏んだ瞬間、智之が泣いているのが見えた。

すぐに目をそらし、ホームまで全力疾走。

Ys1「A！マジで最高！」

Ys5「そのままノーヒットノーラン行っちゃえ！勢いはついてるよ！」

つば(A、おめでとう。)

『皆さん、ありがとうございます！』

試合はそのままノーヒットノーランでスワローズの勝ち。

ヒーローインタビューが終わり、クールダウンと着替えを済ませた時。

ｺﾝｺﾝ

控えめなノックの音。恐る恐るドアを開けると、そこには……

「A、本当にごめん。」

『……智之？別に気にしてないよ？』

私の因縁の相手、菅野智之がいた。