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● キス # 2 ページ46










小瀧 side




小瀧「 嘘やろ 」


A「 そっちが誘ってきたくせに 」


小瀧「 えぇ… 」


A「 ふふっ 」






あ、今のAの顔、いじわるしてくる時によくやるやつ

さっきまで俺の立場が優位やったのに完全に逆になってもうてるやん





A「 ほら 」


小瀧「 …っ 」





ん、と目をつぶって俺からのを待ってる

写真を撮りたい気持ちはグッと抑える





小瀧「 …ほんまに、ええの? 」


A「 ええって言うてるやん 」





したい、しよ、って何回も言ってきたけど、いざこういう状況になると心臓バックバク





小瀧「 A 」


A「 ん? 」





ゆっくりと顔を近づける

あともう残り数センチぐらいの距離になった時








トントントン







楽屋のドアをノックする音が


なんちゅータイミング…と思いながらお互いサッと離れて"はい"と返事をする




マネージャー「 失礼します。小瀧さん、雪原さん、着替え終わり次第、次の現場にすぐに移動になりますんでなるべく早めにお願いします 」


A「 了解です 」


マネージャー「 よろしくお願いします 」





パタン







廊下を歩くマネージャーの足音が少し遠くなってから喋り出す




小瀧「 あとちょっとやったのにぃ… 」


A「 残念やったな 」


小瀧「 むぅ 」




わざとらしくほっぺを膨らませると、少し呆れたように笑って




A「 また今度な 」




と言ってツンツンと人差し指でほっぺをつついてくる




小瀧「 しゅー 」


A「 あ、空気抜けた 」


小瀧「 じゃあ次、俺がキスしよって言っても絶対断らんといてな 」


A「 えぇ、どうしよ 」


小瀧「 それでOKせな話がちゃうで 」


A「 …考えとく 」


小瀧「 はぐらかした!! 」


A「 声でかい!! とりあえずうち着替えてくる!! 」





ハンガーにかけてある私服を取って

Aの更衣室として準備されてある別室に移動しようとする



言いたいことはまだあるけど、マネージャーも早めにって言うてたし俺も着替えようとしたその時






チュッ



小瀧「 え 」





Aが俺のほっぺにキスをした


鏡見なくてもわかる、俺の顔真っ赤






A「 なんか想像以上に寂しそうな顔するからさ。じゃ、着替えてくるわ 」





そう言って楽屋を出てった






もう、あの人はほんまに





小瀧「 これ以上好きにさせてどうする気やねん… 」








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作者名:ワカナ。 | 作成日時:2021年2月12日 16時

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