公子の妹【原神】

7話 ページ8

パイモン「公子の所に居なくてよかったのか？」


北国銀行から少し離れた所で、パイモンちゃんは私にそう聞く


『うん、本当ならお兄ちゃんに会うことも躊躇ってたんだよ、忙しそうだったしね

だから、これぐらいが丁度いいの！

あんまりひっつき虫になってると、お兄ちゃんの迷惑になっちゃうし…』


パイモン「A……」


パイモンちゃんが少し悲しそうな顔をしてコチラを見てくる


パイモンちゃんは顔に出るから分かりやすいなぁと思いながら、言葉を紡ぐ


『大丈夫だよ、私ね、いつまでも守り続けられるような妹じゃないんだもの！

私、空くんと同じで旅してたの、ついこの間まで』


私がそう言うと、2人とも驚いたようだった


『ふふ、信じられないって顔！

証拠ならあるよ？見てみる？』


私の言葉に首を縦に振る2人


息ぴったりな2人、仲がいいなぁ…なんて思いながらカバンからフィルムを取り出す


『見たことあるかな？写真なんだけど……』


空「写真機なら、俺も持ってるよ」


『え、写真機持ってるの？

意外だなぁ……誰かにお願いされたりした感じ？旅人だし』


空くんはその言葉に頷く


彼は頼まれては断れない性格なのだろうか、素直すぎるというか…真っ直ぐすぎるというか…


そんなことを考えていると、パイモンちゃんが写真を見て口を開けた


パイモン「こ、これ！モンド城なんだぞ！

こっちは……ドラゴンスパイン！？」


パイモンちゃんのひどく驚いたような声にクスクス笑いながら、他の写真なんかも取り出す


パイモン「これ、吟遊野郎じゃないか！」


空「ディオナの写真もある…」


2人とも10枚ほどの写真をジッと見つめては、驚いた声をあげるのがとても面白かった


『どう？私、機械いじりと写真撮るのが好きで……』


パイモン「すっごくいいじゃないか！」


空「うん、パイモンの言う通り、すごくいいと思う」


2人共、私の撮った写真を、「ここはこの時間帯が1番綺麗だよな」とか、「ここ、俺も気に入ってるんだ」と感想を自由に伝えてくれて、とても心があったかくなった


『2人共、ありがとう』


パイモン「オイラたちの言葉だぞ！

綺麗な写真、見せてくれてありがとな！」


パイモンちゃんの可愛らしい花が咲くような笑顔に、また頬がゆるゆるになってしまう


空「A、璃月はまだまだ来たばっかりなんだよね？

俺たちと一緒に……写真、撮りにいかない？」

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