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20分ほど歩いて目的の屋敷に着いたは良いものの、家主に「今日は空き部屋が一つしかない」と言われてしまった。
「俺は歩いて帰るから、アンタはここで休めェ」
「……そんなっ!不死川様のほうが重症なんですから…私が歩いて帰ります」
「アァ?!上官の言うことが聞けねぇのか?」
「…………聞け…ません。こればっかりは!」
そんな俺たちの言い合いを見兼ねた家主の婆さんが、「お布団は二枚ありますから、ご一緒の部屋にお泊まりになられたら?」なんて提案をして。
俺が帰ると言っても聞く耳を持たない彼女はなかなかの頑固者だと知った。そして、流石に今から彼女を歩いて帰らせるわけにはいかねぇ。そうなると、
「わァった。布団二枚、頼む。」
「………………不死川様?!」
.
各々怪我の手当を受けて風呂に入り、浴衣を着て部屋に戻った。
広い部屋には布団二枚が隣り合わせに敷かれていて。
俺より先に部屋に戻ったらしい彼女は、隅っこでぽつんと座りながら窓の外を眺めていた。
「不死川様、お怪我は…大丈夫ですか?」
「あァ。これくらい問題ねぇ。そっちは?」
「私はただの捻挫なので…」
「あっそォ…」
この、ピタッと隣り合わせに敷かれた布団をどうしたらいいか。わざわざ離すのも意識していると思われて癪だ。
………気にするな俺。何も気にせず、一人だと思って寝れば良い。
呼吸で自信を落ち着かせて、片方の布団の中に潜り込んだ。そんな俺に気付いて彼女も慌てて隣の布団に入る。
「電気、切りますね」と声がして部屋が真っ暗になった。
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もみじ(プロフ) - 覚悟を決めし者さん» 決めしちゃんありがとう!(;;)私はここではお話投稿しなくなるけど、相変わらず決めしちゃんのファンだし、これからも決めしちゃんのお話を読者として楽しみにしてるね^^才能に溢れた決めしちゃんが大好きでした!ビッグラヴ!!!! (2021年3月27日 19時) (レス) id: a7517d1b2b (このIDを非表示/違反報告)
覚悟を決めし者(プロフ) - 短い間だったけれど、仲良くしてくれてありがとう……!もみじちゃんと出会えてよかったです!!連投ごめん!!!!ビッグラヴ!!!!! (2021年3月26日 22時) (レス) id: 37c69db3c0 (このIDを非表示/違反報告)
覚悟を決めし者(プロフ) - もみじちゃん……!!コメントが遅れて申し訳ない( ; ; )完結おめでとう!!!恋愛に鈍くて初心な不死川さんらしさが溢れた素敵な作品でした……!!もみじちゃんが占ツク卒業しちゃうの死ぬほど寂しいけど、ずっと応援してるからね!! (2021年3月26日 22時) (レス) id: 37c69db3c0 (このIDを非表示/違反報告)
もみじ(プロフ) - 蓮さん» 蓮ちゃんありがとうっ!もう蓮ちゃんに言いたいのは……ただただ大好き!!!!それだけ!!!!これからは蓮ファンクラブ代表として読み手にまわるね^^本当にありがとな!!! (2021年3月25日 16時) (レス) id: a7517d1b2b (このIDを非表示/違反報告)
もみじ(プロフ) - 古猫丸さん» わっ…まさか古猫丸様からコメントをいただけると思っておらず震えておりますっ。私には勿体ないお褒めのお言葉…本当に嬉しいです。ありがとうございます(;;)私、古猫丸様の書く煉獄さんがすっごく大好きなのでこれからも読みにいかせていただきますね^^ (2021年3月25日 16時) (レス) id: a7517d1b2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もみじ | 作成日時:2021年3月1日 19時