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ーryoー
カランカランとなるベルの音と一緒に
「いらっしゃいませ〜」
と間延びした声が返ってくる
「返しに来ました」
この店の制服とタオル
手に持って店内見渡すと
カウンターに厚手のジャンパー着た猫背のおっさん、テーブル席でスーツ姿でコーヒー啜りながら新聞読むおっさん
ちゃんと客おるんや。とか思う
「そんなぁいつでも良かったんに」
カウンターの奥から出てきて
のへへんとした顔でよってくる
「なら今日でもいいやん」
「それもそやねんけどぉ」
「マル」
猫背のおっさんが会計に呼ぶ
「はいは〜い」
と戻っていく
あいつ、マルって言うんや
たしかになんかマルっぽいわ
タヌキ顔のマル
変な通り名みたいになってもうた
「お待たせしたなぁ」
アホずらやし
「昨日の」
「ん?」
「昨日のくれや」
「バナナジュースな!ちょっと待っててや♪」
あれ?
「なぁ、もう1人の客どこ行ったん?」
「あの人はいつもあぁやねんで〜」
「でも食い逃げやん!」
「ちゃんとお代もらってるよ〜」
よく見てみるとカルトンの上に500円玉がひとつ乗っかっていた
「なんやねん全く…」
「心配してくれたんやね〜ありがとう」
「別に、そんなんちゃうわ!」
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作者名:時音 | 作成日時:2021年11月3日 10時