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なぜかあの頃を思い出した
目の前の彼とのキス
俺には親に決められた婚約者がいて
そんなの嫌やこんなのおかしい
駆け落ちしてでも勘当されてでも
君と一緒になる
そう嘆く俺に
君がくれた
お別れのキス
｢顔あげて｣
ふんわりと微笑む
｢ええ子やね｣
そう優しく頭を撫でて
耳からあごへと
滑るその掌は
もう唇には触れてくれない
わかってる。
わかってるから
ええ子になんか、なりたくなかった
end.
続く
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作者名：時音 | 作成日時：2021年10月9日 0時
