マイク拾ったら人生変わった話したっけ？【ヒプマイ】

31.急旋回 ページ8

『こ、こんな感じですか？』

「……ｳｯ」

「これ…は…小官のマイクよりも……遥かに」

「ｸｯ…頭が割れそうだ」






皆さんが苦しみ出したので、慌ててマイクを止める。






「大丈夫ですか！？」

「…っは、何とか大丈夫です」

「…クソ、つかよ、一郎のダボはこんなマイクで俺たちと戦おうとしてたのかよ。普段吐き気がするくらい正義感あるくせに、ウゼェな」




一郎………って、あの山田一郎？





「ち、違います、一郎は私を守ろうとしてくれたんです。家に帰っても家族や友達が狙われるだけだか」






必死で否定をしていると、勢いよく左馬刻の部屋のドアが開いた。






「ノックせずに入ることを許してください、兄貴！大変です！」





左馬刻様の部下であろう男が息を切らしながら部屋に入ってきた。






「あ？」

「例のヤツらがここに殴り込みに来るとの情報が！！」

「ﾁｯ、めんどくせーな」






例のヤツら？

も、もしかしてイケブクロの皆が私を探しに？？



期待を胸に抱いていたが、2人の会話を聞いているとどうも同業者のヤクザだということが分かり萎えた。








「銃兎、そいつ連れて帰れ」

「分かってる、内輪もめは警察の出る枠じゃないからな」






えっちょっとまって？

私本当にこの人の家に泊まるの？





この人だってどう見ても一人暮らしだよね？危ないよね？？






「なにボサっとしてるんです、行きますよ」

「いや、あの」

「急げ、A」





理鶯さんと銃兎さんにすごい勢いで外に押し出された。







待って、心の準備が








「とばしますよ」

「ええぇぇぇぇえぇ」






流れでパトカーに乗せられ、そのまま車が道路交通法違反ギリギリの勢いで発車した。

32.お電話してな→←30.ブクロとハマ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す