【回想】 当事者は静かに喚く ページ30
身体中の水分がたちどころに抜けていく。血潮として、汗となって、加えて膜を張る涙となって。
生暖かい不快感の内包する要素は、当然ながら到底受け入れられる類いのものではない。単純明快な苦痛と、それを遥かに越す恐怖で思考が掻き乱されていった。
ああ駄目だ冷静になれ、落ち着いて考えろ、食いしばった奥歯を砕くことになったとしても。お前は、私はどうやってこの状況下から脱却する？ これしきで動揺するなどとんだ名折れではないか、早く思考を再生しろ！！
＿＿＿嫌だ、何も考えず泣き叫びたい。辛い痛い恐ろしい、助けてくれと乞い願えたならどんなに楽だろう。もしそれを許されて認められたなら、私はどんな安堵を覚えるのだろう。こんなの怖いよ、今すぐ治して、私から痛みを取り除いて！
阿呆らしく喧しい二律背反が、まるで警鐘かサイレンでも真似るように頭を揺らす。 不快で
それに外野が煩わしい事この上ないのだ、お前等が私より動転していいものか。頼むから全員口を閉じてくれ、彼が歩む道を開けてくれるだけで良いのに。
先程からありったけの握力を振り絞ってはいるが、この応急処置もいつまで効果があるんだか。こぷりこぷりと噴き出す紅は、いとも容易く指の隙間をすり抜けていく。
湖面を連想させる薄青のドレスだって、今や汚染されて見る影もない。無惨だとか惨状だとか、そういう言葉が誂えたようにピッタリだ。鉄臭く塗り潰されて、どこか有害物質を流された川なんかに似ている。
すっぱりと潔く裂かれた傷口は、大して深くもない癖して己を誇示するように開いていく。うっかり外気に晒されでもしたら…………辞めよう、余計に気力が失せる。
なんとか心臓より上の位置へ、そう思って傍らのテーブルに腕を預けへたり込む。やれるだけの事はやったと思いたいが、強烈すぎる惨事を味わった精神はとうに磨耗していた。
満足な酸素すらも補給できずに喘ぐ中、雑音の狭間を落ち着き払った足音が縫っている気がした。ああ、これは誰だろう。視線だけを上方に向ける。
そして私は、最大の
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アインツバル - 橋本アリィちゃんさん» ですが既に手放しかけていた粗末な文へ、こうして温かい言葉を掛けて下さった事 心から感謝しています。末筆ですが改めて、読んで頂きありがとうございました！ (2022年2月26日 14時) (
レス) id: 21e5f63abe (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル - 橋本アリィちゃんさん» コメント有り難う御座います、反応が大変遅くなってしまい申し訳ございません。前の作品については仰る通りで、私自身の手で消去致しました。応援して頂いたところ本当に心苦しいのですが、恐らく今後これを更新する事はありません。 (2022年2月26日 14時) (レス) id: 21e5f63abe (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します！とても楽しく読ませて頂きました！今後とも応援しています！頑張って下さい！(*´ω｀*)(((後、前の作品が全て消えてるんですが、気のせいですかね？(´・ω・｀)))) (2021年11月6日 10時) (レス) id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル - 月花さん» はい3コメおめでとありがと大好き…!!()そうそう弱気な吉良ヒ､(幼少期だもの←) コメントはいつだって超絶嬉しいよ…!!本当にありがとう、これからも宜しく！ (2020年8月2日 22時) (レス) id: cbb6f528ce (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - 今更感あるけど….シリーズ五本目！おめでとう〜！三コメをいただいていきま〜す(←) ヒロトの名前が出てきたとき、「えっヒロ…吉良ヒ…？…！？」でした、あるちゃんの小説大好きです、更新…無理なく頑張って下さい！！(以上、謎タイミングコメント野郎でした！←) (2020年7月30日 21時) (レス) id: 689878ceda (このIDを非表示/違反報告)
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