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俺が目覚めた時には、もうそこに姫ちゃんの姿はなくて泣き崩れてる佐久間と、その隣でどうしたもんかと額を押さえている天狗ちゃんが居た。
そして放心状態の俺の隣には眠っている蓮が居て、長い前髪をすくい上げればパチッと瞼を持ち上げたから、驚いて身を引いた。
「あー、えっと、おはよ？」
「……あんたって、親父なの？」
「うーん、それはどうだろうね」
ゆっくりと身を起こす蓮は、わんわんと泣く佐久間をじっと見つめていた。
「……佐久間くんみたいに、あんたも泣いたの？ 母ちゃんが死んだ時」
「……俺に悲しいって感情を教えてくれたのも、お前の母ちゃんだよ」
「……そっか。ありがとう。俺の事守ってくれて」
「ぐっ、」
ああ、もう泣かせんなよ！
.
「そうか、そんな事があったわけね」
我を無くしてる状態の佐久間ではなくて、天狗ちゃんに事情を聞いた。
皆を守るために自ら地獄へ行ったわけね。
「女って凄いなぁ」
沈黙が俺たちを包む日が、それから何日も続いた。
姫が居ないというだけなのに、笑い声が一切消えて皆無気力というか。
特に佐久間は酷かった。
飯は食わねえは、暴れ回るわでこれじゃあただの鬼じゃんて。まあ、鬼なんだけど。
だけどボロボロになって、姫ちゃんの名前を呟く佐久間の気持ちは痛い程分かった。
「めめ、ほらこれも食べないと元気出ないよ」
「ん。ありがとう。らうるも、魚の骨まで食えよ」
「いや骨は無理かな」
本当の兄弟のように支え合おうとしている蓮とらうるを見て、ようやく決心がついた。
パシッと膝を叩いて立ち上がったら、スーッと背後に立つ気配に振り返ると、そこには天狗ちゃんが居た。
「行くのか？」
「ああ。あのままにもしておけねぇだろ？ 今度は蛇退治じゃなくて、佐久間を退治しろって地獄からなんか寄越されるかも」
「それは困るな。ちょっとゆっくりしたいし」
「友達想いだねぇ」
「……気をつけてな」
「ふふ、ありがとー」
ひらひらと手を振って深く帽子を被りなおした。
さあて、閻魔さんよ久しぶりの挨拶行かせてもらうわ。
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ゆきんこ(プロフ) - みぃ。さん» みぃ。様、有難うございます！私もそろそろ終わるなって頃になると、楽しみと同時に寂しくもなります(>_<)寂しいと思ってもらえるのも褒め言葉と受け取り次に活かします！私の好きなお稲荷様と共演させてもらえて私自身が多分一番喜んでますね(笑)宜しくお願いします！ (2021年4月17日 18時) (
レス) id: e0fcc6876b (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - 完結おめでとうございます！桃鬼さんのお話大好きだったので終わるのは寂しいですが。。最後にまりんさんのお稲荷サクマ様が登場しましたね！あのサクマ様も好きだったので嬉しかったです☆また次の作品も楽しみにしてますね！ (2021年4月17日 16時) (レス) id: 59fd607722 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - Yukari紫さん» こちらでも有難うございます(^^)嬉しいです☆大好き、私も大好きでございます☆2日続けてシリーズ終わってしまいましたが、新作も公開してますので良ければよろしくお願いします(^^) (2021年4月16日 8時) (レス) id: 4eb798e005 (このIDを非表示/違反報告)
Yukari紫(プロフ) - 完結おめでとうございます。昨日黄色さんのお話の方でもコメントさせて貰いましたが別作品なので改めて！ゆきんこさんの作品大好きすぎてこちらもリアルタイムで追っていました笑２つの楽しみが終わってしまい悲しいですがまた素敵な作品待ってます！ (2021年4月16日 0時) (レス) id: 1087d4c16f (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - もか。さん» ありがとうございます！！皆さん大好きまりんさんですね(^-^)喜んでもらえて私が嬉しい☆ハピエンにはしたかったので、それぞれの幸せの形で書かせてもらいました。涙したと言っていただけて有難く思います(^-^) (2021年4月14日 7時) (レス) id: 4af061861f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年4月8日 16時
