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自分が味方?


「なんにも自分で出来なくて、ただ親の言いなりで勉強しかできない
愛想をふりまけば周りはご機嫌になるけど、本当はどう思ってるかなんて分からない!!誰も教えてくれないの!!!」

「……」

「この歳になれば反抗期というものが始まるって本で読んだけど、私が今親にしてるのはどうしたらご機嫌が取れるか、どうしたらこっちに関心が向くか、ばかり!!こんな自分が嫌いよ!!!味方になれる訳ないじゃない!!」


ついムキになってしまった。
見ず知らずの人に、当たり散らして泣きついて、呆れられるに決まってる。

はぁ、とため息をはいた。


「目が覚めたら、誰かと入れ替わってたらいいのに……」
ぼたぼたと落ちる涙をぬぐう気も起きなかった。
足音が聞こえる。帰るのだろうか

当たり前か。こんな奴、関わるだけで面倒くさいに決まってる。




そう思っていたら、さっきよりもあの人の香りが強くなった気がした。

顔を上げると、


「レディは、見ず知らずの人に涙を見せてはいけない」

そう言って、ハンカチで涙を拭われる。
向けられたことのない顔だった。



「……今の君は、まだ幼くて儚くて、1人ではこの世界を生きてはいけないだろう。

君にとってここが息苦しいのなら、他の水槽にいけばいい」


そう言って肩をとんとんと優しく叩かれる。
今まで苦しかったのに、そのリズムに合わせて息をすると視界が明るくなった気がした。


「これから学んで、成長して、美しい宝石になった時、君はこの小さな箱庭から逃げ出してもっと広い世界を見に行ったらいい

そうしたら、意識しなくても君のとなりには涙を拭いてくれる人がいるはずだ」




「……もし、いなかったら」

「その時は俺がいてやる」

ぽんぽんと頭を撫でられる。
雑だけど優しくてまた涙が出そうになったのをぐっと堪える。


「あ、あなたは……」


『ライ、なにしてるの
もう撤収よ』


「すまない、もういかないと
君も早く入るといい。夜風は体に良くない」

「待っ……え?」

ふわりと手すりの上に華麗に飛び乗ったかと思えば、気づいたらもう彼は下の階に降りて走り去っていた。


「……すごい」

私の知らない世界には、あんなにも凄い人がいっぱいいるんだろうか




「逃げればいいなんて、初めて言われたな」



いつかまた、会えるといいな、なんて期待するのは止めておこう。



まずは私の足で、誰かの隣に行くんだ。






続く

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理那(プロフ) - あぁ!そういうことでしたか!私よく絵を描くので知ってて!実際あんま覚えてなかったのでよかったです! (2020年5月22日 0時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴみ(プロフ) - 理那さん» ご指摘ありがとうございます!!すみません、自分単行本派なので赤井さんの目の色すっかり勘違いしてました(号泣)訂正したのでまたよろしくお願いします! (2020年5月21日 23時) (レス) id: bf70a421f2 (このIDを非表示/違反報告)
理那(プロフ) - 赤井さんって目は黒じゃなくて緑色、だった気がする?いやすみません間違ってたら!無理のない程度に頑張って下さい! (2020年5月21日 21時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - めっちゃ好きです!更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月6日 3時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
腐夢(プロフ) - 初めまして!番外編も本編もとても面白くてにやけながら読みました!読みやすいし感情移入しやすいのでとても読んでいて楽しかったです。素敵な作品をありがとうございます┏○))ペコリ (2020年4月29日 23時) (レス) id: 93d427ce7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピピミ | 作成日時:2018年7月6日 14時

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