「もう他人じゃない」【降谷零】

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いや…まぁ…分かってはいるけど

寧ろ自分に呪いの力なんてあるなんて思えないし。


でも、

『はっ、Aさんが？ナイナイ。出来るわけないですよーはははっ！』

みたいなことを言われるとムッとする。(言われてない)


「そんなの分からないじゃないですか…」

「ぶふっ！！」

は！？
吹き出すほど！？

「げほっ、す、すみませ、あははは！ちょっと想像出来なくて…」


…頑張ったらできるかもじゃん


「やろうと思えば私だって！」

「ほう…それなら今やってみてください」



…おおっと。
これは予想できないことじゃなかったはずだよ？？


「い、今はちょっと…」

「いいじゃないですか。僕見たいです」

呪いをかけるのを？？

「だって必然的に安室さんにしないと…」

「…僕にするのは嫌ですか？」

あなたは逆に呪いをかけられたいのか！？

「あ、安室さんは？」

「…僕は、Aさんにならされたいです。」


なんでちょっと恥ずかしそうなの！？


「だ、ダメです！安室さん、もっと自分を大切にしてください！！」

「…えっ。ど、どんなことをするつもりなんですか！！」

「だって、も、もしかしたら安室さんを傷つけちゃうかも…！」

「いや待ってください本当に何をするつもりですかあなたは！？」


な、何って…





「の、呪いを…かけようかと」

「の、呪いぃ！？」

ぶはっ！！と吹き出したのは今日二回目である。
だけど今まで以上に豪快に笑われて、しかも笑いすぎてちょっと泣いてる。

いや、ちょっと大袈裟じゃないですか


「ひぃ、はは、もう無理です…Aさん、ほんと、あははは！」

「…笑いすぎじゃないですか」

すると真面目な顔で、いや頬がぴくぴくしながら、安室さんは


「…Aさん。小悪魔系女子は、誰も呪ったりしません、よ…ふっ、」


また笑いだした…

ってか違うんかい！！じゃなんでそんなややこしい名前にしたんだよ！！






その後梓さんに、ちゃんと小悪魔系女子の本当の意味を教えて貰い、自分の勘違いがいかにトンチンカンか思い知らされた。


「…やだもう恥ずかしい」

「はは、気にすることないですって。それがAさんのいいところですから」

「さんざん笑ったくせにどの口が言うんですか」

「この口ですかね」


にいっと笑う安室さんが、
女子じゃないけど小悪魔に見えた。




(どさくさに紛れて安室さんがとんでもないことを言ったのを、彼女はまだ気づいてない。)

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