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55日 " ページ5

あれは5歳くらいの歳の頃。
まだ母さん父さんも差別なく愛情を注いでくれてた。

「まっ、待ってよ〜…夕陽、速いよぅ」

少し程度なら運動も外に出るのも許されていた。

「置いてくぞ!次はあの登り棒のところに行こう!」

俺も仲良くて毎日一緒に寝ては家や外で遊んでいた。

「可愛い坊ちゃん達ですねぇ…何歳ですか?」

お婆さん達によく声をかけられていた。
母さん父さん達は嬉しそうに俺たちの話をする。

「いい子だねぇ、飴ちゃんあげるよ…ほら、そこの僕も置いで」

必ずそういう時、気に入られて可愛がられていたのは……




Aだった。
無邪気に笑うあの時のAの笑顔は今でも忘れられない。

「どうしたのー?夕陽…ゲホッ」

Aは少し興奮しすぎると発作を起こしたりした。
けど、そんなAが大好きだった。

「ごめん…今日は家で遊ぼうよ!」

咳き込みながら笑うA。
俺はその時からかAが羨ましく感じた。

美形な方の顔立ちで、気配りが上手くて、人に好かれやすい笑顔が絶えなかったAが___。


だけどそのあと、Aが生まれて初めてなんじゃないかというほどの強い発作を起こした。

苦しそうで、見てるだけでも辛かった。
体力がどんどんと低下して行ったのはその頃からだった。

そしてその日から一年後くらいかに、医者から告げられたんだ。

「この子は十をも持つかどうか…とにかく出来るだけ外には出ないように」

その日を境に母さん父さんはAに冷たくなっていった。
嫌悪の目で見るようになったんだ。

「お、お母さっ…!どうし…て…?」

そんな小さなAに冷たい目で、冷たい言葉で対応した。

俺は泣きじゃくってるAを見てるだけ。

俺は怖くなり、こっそりと母さん父さん達の会話を盗み聞きした。

「あの子にお金をどんなにはたいても意味ないのよ」

「ああ、そうだな…金食い虫だ、体が弱くたってある程度育ってくれれば嬉しかったのだが」

母さんのあの時の言葉、俺も胸が痛かった。

「そうよ…構っても将来お金を入れてくれるわけでもないし、ましてやお金がかかるわ…




あんな子、生まれなきゃ良かったのに」

俺はその言葉に膝をつき、腰が抜けたかのように這いつくばって自分の部屋に戻った。

その時、後ろから物音が聞こえた。

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明月浅葱(プロフ) - めっちゃ泣きました! 俺、病系好きなんであまり泣かないんですが、こんなに泣いたの初めてです! (2022年11月13日 16時) (レス) @page30 id: 2a22133648 (このIDを非表示/違反報告)
金木犀 - 目が晴れそうなほど泣いてしまいました。素敵なお話を完結させてくださりありがとうございます! (2021年12月21日 0時) (レス) @page30 id: b5d4ecbe80 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 涙が止まらない位感動しました。 (2016年9月18日 14時) (レス) id: a56b4ade72 (このIDを非表示/違反報告)
桃崎星(プロフ) - 涙が止まらん (2016年2月22日 22時) (レス) id: 308057f239 (このIDを非表示/違反報告)
ぁぃぅぇぉ。 - 久しぶりに小説で泣きました…。それはもうボロボロと(笑 とても素敵なお話でした! (2015年9月9日 14時) (レス) id: 76adb82bc6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:堕天使の使い手 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2015年7月13日 0時

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