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「っ大丈夫…だよなッ?」
震えながら手術室の前で手を合わせながら願うのは夕陽。
僕はどうしてこんなのを見れてるのだろう?
幽体離脱…っていうのかな?
「本当に…そろそろ危険なんだな、でも…もう少し生きたいよ…ほんの少しでもいいから」
僕は透けた体で夕陽を見下ろしながら願う。
僕は透けた体で手術室の中に入る。
「っ…自分で見るのはなんだかなぁ…」
そこには心臓マッサージなどされてる僕の『身体』と医者達がたくさんいる。
今、僕が幽体離脱してるのはもう限界だからなのかな?
「嫌だっ…早いよ、こんなの…ッさっき約束したばかりなのに…」
僕は夕陽の方へ向かうと、透けた体で抱きしめた。
だけど体を通過するだけだった。
「Aっ…お願いだからぁ、もう一度…声を、笑顔を見せてくれよ…」
泣きながらすがるような夕陽の声。
双子の弟がこうなっていながら僕はもう何もできない。
「もう…終わり…なのかぁ」
僕が諦めかけていた時、背中に衝撃が走った。
「頑張って…諦めないで?」
背中を蹴られたのだ。
その声の主は……
その時、僕は何かに強く引っ張られた。
そして自分の体の中に吸い込まれた。
そして起きたら前より複雑になっている病室だった。
(寝ぼけてたの…かな?)
僕がそう思っていると、ドアがあいた音がした。
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明月浅葱(プロフ) - めっちゃ泣きました! 俺、病系好きなんであまり泣かないんですが、こんなに泣いたの初めてです! (2022年11月13日 16時) (レス) @page30 id: 2a22133648 (このIDを非表示/違反報告)
金木犀 - 目が晴れそうなほど泣いてしまいました。素敵なお話を完結させてくださりありがとうございます! (2021年12月21日 0時) (レス) @page30 id: b5d4ecbe80 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 涙が止まらない位感動しました。 (2016年9月18日 14時) (レス) id: a56b4ade72 (このIDを非表示/違反報告)
桃崎星(プロフ) - 涙が止まらん (2016年2月22日 22時) (レス) id: 308057f239 (このIDを非表示/違反報告)
ぁぃぅぇぉ。 - 久しぶりに小説で泣きました…。それはもうボロボロと(笑 とても素敵なお話でした! (2015年9月9日 14時) (レス) id: 76adb82bc6 (このIDを非表示/違反報告)
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