君と俺を繋ぐ約束。【カゲプロ】

幸せな日々…38 ページ38

Aは急いで処置治療に担ぎ込まれた。
みんなロビーでわんわん泣き続けた。

「Aっ…無事でいてくれっ」

みんなそんなような事をいいながら肩を寄せ合い、泣いた。
今回はいつも以上に長くて、俺は正直不安で仕方がなかった。

そしてやっと出てきた医者の言葉が衝撃だった。

〔ギリギリ生き延びては居ますが…もう長くはないでしょう、それどころかもう目を覚まさないと思われます…〕

みんな言葉を忘れて固まった。
Aがもう目を覚まさないかも知れないなんて。

予想しなかった自体に俺たちはただ絶望するしかなかった。

俺たちはAの病室に向かった。
だが、そこにはいつも笑顔でいるAはいなかった。

口には酸素ボンベがついていて、身体中に管がいっぱいついていて、青白く血色の悪い肌、小柄で窶れて細くなった身体。

もう昔の面影もないくらいだった。
そこには弱り果てた身体が生命を繋ぎとめようとしているAがいた。

俺は信じたくなかった。

もう、Aの身体は持たないんだって。
最後のささやかな約束ですら守れないんだって。

俺はそっと手を握った。
だが、あまり暖かくなくて握り返してくれない。

俺はAを見つめては大声で泣いた。
それしか今の俺には何も出来なかった。

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