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【勇者側】覚醒 嘉嫩 ページ37

足元にどこからか飛んで来た石が落ち、小さなクレーターを作った。

飛んで来た方を見ると、そこにはさっきの魔王軍の人間が。

しかし、その隣に居た人物に俺は目を疑った。

「桜ッ!離れろ!」

すると桜は大声で、

「こちらは大丈夫です!」

と言った。

人間の奴も、桜には攻撃しないようだ。

どうなってんだ…?

その疑問が浮かんだ時、俺は完全に油断していた。

前に向き直った時にはもう遅かった。

黒い兎の獣人が襲いかかって来るのが見える。

腹に大きい痛みが走った。攻撃が当たったのだ。

「う、ぐッ…」

俺が立とうとすると、その前に一つの影が立ち塞がった。

ファンキー令嬢だ。

「おい…お前、何やって」

俺の言葉を遮って、令嬢が言った。

「勇者様の仲間がピンチなのに、黙って見てろって言うの!?」

令嬢は、どこから持って来たのか、大剣を黒い兎の獣人に向かって振り下ろした。

兎の獣人はそれをサッと避けたが、何しろ大剣、それでも少し当たった。


倒れた獣人が攻撃を仕掛け、それをファンキー令嬢が武器で防いだ。

「け…結構互角じゃねえか!」

その時だった。

聖の二投目の石がファンキー令嬢に命中したのだ。

ファンキー令嬢は気を失ったようで、そのまま倒れ込んだ。

だが、これだけでも戦況は少しだけ楽になった。

次々に飛んでくる石を、避け続ける。
一つでも当たったら終わりだ。

でもダメだ、このままだといつか当たる!
クソ、この手しかねえか…

頭の中であの日の兄貴の姿…俺の目の前で生き絶えた兄貴の姿を思い浮かべる。

それと同時に、兄貴を殺した奴の顔、あの洞窟、兄貴が死んだ後弟みてーにくっついて来た妖精のアイツ、洞窟から見た土煙、最期の兄貴の言葉…

色々な事が思い浮かぶ。
心の中に、怒り、憎しみ、悲しみ、そして少しの寂しさが湧き上がった。

「な…なんだ…?」

黒い兎の獣人は俺から発される強大な闇のオーラを感じ取ったのか、ブルッと震えた。

「うあっ…あああああ!」

俺が目を開くと、目を見張る獣人と人間の姿があった。

暫くの沈黙。
先に口を開いたのは、獣人の方だ。

「なんだよ…この姿、このオーラ…まるで悪魔じゃねえか…しかも、かなり上級の方の…」

ふふっ、と笑って俺は言った。

「驚いたか?兄貴が死んだあの日の俺も、こんな姿になっててな…気がつけば周りのグールは全員死んでて、俺の爪には血が付いてた…」

俺はニヤッと笑って続けた。

「今は自分の意思でなれんだよ!」

【魔王側】攻撃 ジャック→←【魔王側】真夜中のお茶会 透明少女



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○マカロン少女●(プロフ) - 更新しました! (2019年1月11日 20時) (レス) id: f4775194ad (このIDを非表示/違反報告)
○マカロン少女●(プロフ) - 更新します! (2019年1月11日 20時) (レス) id: f4775194ad (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - ○マカロン少女●さん» 了解です( ´∀`)こちらこそありがとうございます! (2018年3月3日 13時) (レス) id: c93a555509 (このIDを非表示/違反報告)
○マカロン少女●(プロフ) - モモハさん» わざわざお気遣い有難うございます(^^)もう大丈夫なので、テストが終わり次第更新させていただきたいと思います (2018年3月3日 11時) (レス) id: 922ef88d06 (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - ○マカロン少女●さん» 更新なさる際にお教えしますので、お伝えください! (2018年2月25日 18時) (レス) id: c93a555509 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冒険者たち x他8人 | 作者ホームページ:(*´▽`*)  
作成日時:2017年8月11日 12時

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