僕らの彼女は猫かぶり。2期 【名前変換オリジナル】

？？？？「貸しますよ」 ページ26

「痛……え」

「……ん？」

ボクが目を開くと、目の前には狐のお面。唇に何か硬い違和感を感じる。

これは。

「うっ、わあああああ゛！？」

思いっきり立ち退いて後ずさった。何故なら。

＿＿Aさんと、キスしていた。

いや、語弊がある。正確にはAさんの付けていた狐のお面にキスをしていた。

床ドン姿勢から慌てて身を引くと、Aさんはゆっくり起き上がる。お面のせいで表情が読み取れない。俯きがちに口を開く。

「えっと、その、なんて言うか……その」

「花火」

え、と顔を上げればAさんはお面を取って、空を見上げていた。

「やっぱり綺麗」

「あ、そう、ですね…」

Aさんは大人だ。ボクと大違いだ。

たった少しの距離が、遠く感じた。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

「さてと！帰ろっか！」

「はい」

河川敷までの道のりを、ひたすら歩く。

Aさんは足が疲れてしまったのだろうか、草履をガコガコと引きずるようにしていた。

「Aさん、足、大丈夫ですか？」

「んー？大丈夫…っ！」

足首がガクッと曲がり、Aさんは体制を崩す。

崩した先の場所は、

「しまっ！？」

「Aさん！」

高台の、崖。

あ、ありがとう。→←うちわ欲しい。

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