僕らの彼女は猫かぶり。2期 【名前変換オリジナル】

暑いなぁ。 ページ23

「…A、さん！」

「え、あ、何？」

雪見くんがいきなり大声出すから、肩をビクッと震わせてしまう。屋台の並ぶ通りの前で、目を光らせた雪見くんがある場所を示した。

「射的！ボク、やったことないんです。チャレンジしていいですか？」

「射的か、私もやったことないんだよね。じゃあ一緒に行こう、雪見くん！」

反射的に彼の袖を引っ張り、先を歩き出す。

しかし。

「…雪見くん？」

「あの、えっと…」

俯いて、たちどまる雪見くん。もちろん彼の袖を持つ私も足を止めた。

しばらく雪見くんは口の中でもごもごと何か呟いていたが、やがて意を決したかのようにパッと顔をあげる。蒼い瞳に、祭りの光が映っていた。

「蛍って、呼んでくれません、デショウカ」

「いいよ」

ビクッと肩を震わせ、こちらを爛々と光る目で見る蛍くん。少し口角が上がっていると思うのは、気のせいだろうか。

「…蛍くん。ほら、射的行こう」

「は、はい、Aサン」

なんて言うか、初々しいな。こっちまで緊張してくるよ。日向くんとは大違いだ。

双方うつむきがちに射的まで足を運ぶ。

店の前には、店主と思われるおじさんが、にこにこしながら座っていた。

私はすいません、と話しかける。

「射的、二人です」

？？？？「ですね……」→←？？？？「そうですね」

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