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172枚目 ページ39

「ヤマトくーん、生きてるー?死んでるー?」

「死んでんなら返事しろィ」

「いや死んでたら返事できないでしょ」

「……ああ」

「した!返事した!?死んだ!?」

エルフの顔へ、冷風を手で扇ぎつつ。Aは不安そうに眉をひそめ話しかける。ヤマトの大事なところは手ぬぐいでしっかりと隠して、岩場の淵に避難させた。薄く瞬きを繰り返し始めた彼に、ロンドは冷ややかな視線を突き刺す。

「べらンめェ。エルフってのは元々身体弱いんだろーが、節度持ちやがれ」

(ロンドくんがマトモなこと言ってる……!)

Aが感心していると、それを見透かしたかのようにロンドが肩を竦めた。なお、ヤマト以外の二人は未だ湯に浸かっている。

「野郎の世話なんざやってらんねェんでさ。しかもこんな見た目整ってる反則ヤローとか」

「君も整ってる方なんだけど。俺の前で言っちゃうのソレ、ねえ」

まあ、性格に難があるお陰でロンドくんもヤマトくんも微妙なところだけど。

という言葉はしまい込んで、飛んで来た湯桶を回収する。暫く静寂に包まれた和やかな空気が流れた。これぞ侘び寂びだ。

刹那、女湯の方から衝撃音と破壊音が耳朶を打った。盛大に肩を揺らしてビビると、思わず立ち上がる魔王と魔道士。侍はまだへたばっており、視線だけを柵の方に向けた。

「な、何今の」

「……どうやら、ガールズトークも佳境なようで。今は修羅場ってとこでさァ」

「ホント!?それホントなのロンドくん!?」

耳を澄ませど、お湯の跳ねる音などでそこまで聞こえない。さっきとは裏腹に、少しばかり緊張感の混じった空気が辺りを支配する。

不意に、どでかく湯の飛沫を上げる音が響いた。ヤマトが勢いよく上半身を起こし、ロンドも同じタイミングで柵の上方を睨んだ。Aはなんもしてない。

「何か来るぞ」

「素っ裸のおねーちゃんなら大歓迎だぜ俺ァ」

「え何、何この雰囲気、なんかバトルとか始まるヤツじゃねーのこれ」

白い影と黒い影が飛来してきたかと思うと、Aたちの前に落下。盛大に上がる水飛沫はもれなくAへと降り注ぎ、危うく立ったまま溺れそうになる。

「あぼぼっ、っぶね死ぬとこだった……!」

「「あけましておめでとう。さあ、大人しく殺られて、魔道士。」」

…ああ、更新日が一月一日だからね。空気読んだのねこのお嬢ちゃんたち。いやそうじゃないわ。

Aは双子の視線の先を辿る。そこには。

そこには、不機嫌そうに腕を組んだロンドの姿があった。

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設定タグ:男主 , ラブコメ , ギャグ   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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モモハ(プロフ) - そらもちさん» あざーっす!アッもしかしたら中だるみなんでもないッス!てへ!(棒) (2019年4月28日 11時) (レス) id: 98af2b3beb (このIDを非表示/違反報告)
そらもち - 面白いっすね!続編も読むぜよ(`・ω・´) (2019年4月28日 10時) (レス) id: 35f31302c7 (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - ひかげのこさん» ありがとうございます!めっちゃ張り切ります(*´ω`*) (2018年12月12日 17時) (レス) id: 0785378cec (このIDを非表示/違反報告)
ひかげのこ(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました!更新頑張って下さい! (2018年12月12日 15時) (レス) id: 256366ff3c (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - 866さん» がんばります!(テストヲヤッツケタラ() (2018年10月8日 18時) (レス) id: 937a2c5722 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:モモハ | 作者ホームページ:o(`ω´ )o  
作成日時:2018年4月22日 21時

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