155枚目 ページ22
「あっ、えっ嘘まじか、えっ、ないです」
冷や汗を駄々流してはそう言うAに、リオナは呆れたと言わんばかりの吐息を零す。顔をやや俯かせれば、夏だというのに、雪のように綺麗なうなじが着物に映える。眼福、とAは瞬時に思うも、事態はそれどころではない。財布ない。
どうどう、と15歳の少女に宥められる27歳。最早誰が夫婦だと思うのだろうか、精々読者くらいだわ。
「兎に角、さっき通ったところで騒ぎが起きてた。まだ犯人は近くに居るみたいだから、行きましょう」
「お、おっす！」
途中で買った林檎飴は、祭りの灯りをその身に反射させ赤く揺らめいている。齧りかけのそれはリオナの手に握られているも、ふとAの方に押し付けられた。
「えっ、何」
「もういいわ、満足。貴方にあげるから、さっさと犯人捕まえるわよ」
思わず呆然としちゃう旦那には目もくれず、押し付けた後はスタスタと一人前進していく妻。逸れないように慌てて後を追えば、思春期かというぐらいに心臓が波打った。
(か、間接キスね。いや、リオナ君気にしないのね、おっさんとしてはちょっと気にしてほしい所ではちょっとあるかなーって思いますけれども。えっ、これ警察待機してたりしないよね、食べた瞬間逮捕ーとかそのあとドッキリって書いてある看板持ったリオナがドヤ顔で出てきたりとかしたらちょっと泣くかも)
…………ぱくり。
「うーん、何処だろう、私のお財布……」
杖をぎゅっと握れば、包帯を巻いた目で辺りを見回すルイカ。巫女服のような召し物にくるまれた身体は発育途中そのもので、胸も平たいから地面だって見渡しやすいと思う。
「う”っ」
「何考えてんのさヤマト。本当、アンタって破廉恥すぎてどうかと思うわ」
「破廉恥ではない、他人より少し本能に従って生きているまであ”っ」
「だまらっしゃい。それでも護衛なのかね」
ルイカを挟んで僕を殴打するのは、
僕の名前はヤマト。アズマと共にルイカ……日向ノ国の姫を護衛している、健全なエルフだ。
僕は隣を歩いては、近頃愛読書となった”あはん天国”に視線を注ぎつつ彼女らに気を配る。
＿＿＿＿そして、ルイカが赤毛のおっさんにぶつかった。
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モモハ(プロフ) - そらもちさん» あざーっす！アッもしかしたら中だるみなんでもないッス！てへ！(棒) (2019年4月28日 11時) (
レス) id: 98af2b3beb (このIDを非表示/違反報告)
そらもち - 面白いっすね！続編も読むぜよ(｀・ω・´) (2019年4月28日 10時) (レス) id: 35f31302c7 (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - ひかげのこさん» ありがとうございます！めっちゃ張り切ります(*´ω｀*) (2018年12月12日 17時) (レス) id: 0785378cec (このIDを非表示/違反報告)
ひかげのこ(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました！更新頑張って下さい！ (2018年12月12日 15時) (レス) id: 256366ff3c (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - 866さん» がんばります！(ﾃｽﾄｦﾔｯﾂｹﾀﾗ() (2018年10月8日 18時) (レス) id: 937a2c5722 (このIDを非表示/違反報告)
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