俺は魔王で嫁が勇者でギャグ小説ってもう意味わかんないけど楽しくやってます。【名前変換オリジナルファンタジー】

98枚目 ページ10

「はい、剣を受け止めるのはヒュッからのベシン！だからねー」

「師匠わかんねえっす！」

俺がそう口を開けば、師匠は眉を下げ腕を組む。むむむ……と唸り始めた。が、間もなくして大剣を振り上げる。大きな窓から入る霞んだ朝日が、武器を照らす。

「ま、試しに実戦！『案ずるより埋めるが易し』って言うでしょ」

「師匠それ『案ずるより産むが易し』っす！埋めちゃまずいっす！」

「そういう細かいトコは……いーのっ！」

「んひゃう⁉」

ギリギリのところで躱した俺。さっきまで居た場所は、もう粉々に砕けている。

百万歩譲って、剣を振ってくるのは良しとする。いや本来良い子はマネしちゃいかんぞ、魔王様との約束な。でももうある程度慣れて来たし、それが師匠っつーのも十分理解したし。

俺は師匠に詰め寄る。冷や汗を垂らし、荒い呼吸をしながら少年に近づくおっさんはきっと他所から見りゃ通報ものだ、わかってるよ！

「あのなあ！せめて木刀とかよ、練習用の使おーぜ⁉真剣だと切れっから！魔王様刺殺されっから！」

「えー、木刀とかダサい……」

「俺の命大事にしてください！」

その時、ギィ……と古めかしい音を響かせ扉が開く。開け放たれた方向から俺たちに向け、ひんやりとした風が舞い込む。

最初こそ逆光で現れた人物が見えなかったものの、目を凝らすと次第に見えてきた。

「あら、練習の妨げになったかしら。ごめんなさいね」

「えっ、あわわわわ……す、すいましぇんっ‼」

お后とメイドの姿が。

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