俺は魔王で嫁が勇者でギャグ小説ってもう意味わかんないけど楽しくやってます。【名前変換オリジナルファンタジー】

97枚目 ページ9

曇り空広がる、朝。雨降ったらやだなーとか思いつつ、俺は欠伸をする。

修行用の運動着に着替え、軽く伸び。庭に繋がる通路に出ると、準備運動をして気合いを入れる。

「よっしゃ！いっちょ頑張るぜ！」

「随分気合い入ってやすねィ」

「んぎょう！？……なんで居るのロンドくん」

「神出鬼没の不思議美少年キャラでモテ期を手に入れようかと思いやしてねィ」

残念系イケメン魔道士、ロンドくん。よく厩舎……あの、馬とかが居るところに現れては実験台にしようと襲いかかってるらしい。ま、今はカペルちゃんが食い止めてくれるから平気なんだけどね、やめろや。

ロンドくんは自分の寝癖を弄りつつ、俺の運動着姿を見やる。しばらくして、げんなりとした表情で舌を出した。

「朝からおっさんの運動着姿は見るに耐えないもんがありまさァ」

「うっせー！じゃあ帰れや！ここ俺ん家だからな！お前何気に不法侵入だからな！」

「つーか、なんでそんな格好してるんでィ。運動会かなんかなんですかィ？」

その後簡単に事の次第を説明する俺氏。ロンドくんはしばらく黙って聞いていたが、俺が話し終えると口を開いた。

「つまり、なんでィ。魔王様は剣士になるつもり？」

「まあな。つか、他のがイマイチよくわかってねえんだけどよ……」

ロンドくんは束の間興味なさげに相槌を打つも、すかさずにやりと笑って人差し指を立てた。

「じゃあ、とっておきの魔道士レッスンしてやりまさァ」

「あ、悪ぃロンドくん。今あんまり時間ないからさ」

「大丈夫でィ。3分もかかりやせんから」

そう言ってロンドくんは楽しげに続けた。朝のひんやりとした空気で、背筋がゾクッとする。

「いいですかィ、魔王様。魔法を放つコツは＿＿」

「コツは？」

ロンドくんはドヤ顔で告げる。

「自分のやってみたい魔法を頭でイメージするんでィ。呪文はテキトーだからあんま考えないのがポイントでさァ」

「雑だな」

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