118枚目 ページ30
「さあ!というわけでラギファルト大帝国を、魔王様自ら案内しちゃうぞっ!うへぺろっ!」
「何がというわけでなんだ。気味が悪い」
晴天の中、バスツアーのような旗を握る赤髪のおっさん。未だ修理中の城門の前で、勇者の少年は眉をひそめた。城のてっぺんでは、アルフレッドとヴァレンタインが様子を伺っている。双眼鏡を覗きながら、アルフレッドが話す。
「上手くいくといいですけど……あの、ヴァル」
「んー?」
「双眼鏡無しでここから見えるんですか?」
「俺一応視力は2,0あるから」
「え」
アルフレッドが動揺し、双眼鏡を外してヴァレンタインを見やる。彼は魔王たちを見据えたまま続けた。
「そんなことより、何がどうしてこうなったの?まあ、大体は察せるけどさ」
「実は……」
シルヴァが提案したのは、『魔王が直々に勇者と国内観光をする』ことだった。
このまま勇者が国に帰り、他国にラギファルト大帝国のことを話す時に、『とてもひどい国だった。早急に無くすべき国だ』と言われないようにするための策だ。
観光をすることでこの国の良さを知り、魔王との触れ合いで警戒も薄れる。楽しい思い出を作ってしまえばこっちのものだ。勇者が他国に『素晴らしい国だった。滅ぼすのは間違っている』と言えば、攻撃もなくなるだろう。
そんな感じのシルヴァ姉さんの戦略だ。
まあ、詰まるところどういう結果になるかはAにかかっているわけで。他の者はただただ見守っているというわけだ。
その話を聞き、ヴァレンタインはふーんと相槌を打つ。
「それじゃあ、アル」
「はい。魔王様のお手並み拝見です!」
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モモハ(プロフ) - 健全(?)女子しょーがくせー(明日で健全(?)女子ちゅーがくせー)さん» はい!ばっちり言う経緯とかも決めてあるので、お待ちください! (2018年4月9日 20時) (レス) id: 7ea4a0fdca (このIDを非表示/違反報告)
健全(?)女子しょーがくせー(明日で健全(?)女子ちゅーがくせー) - モモハさん» リクエストお応えありがとうございました!なかなかいい感じですなぁ。さてさて名物リオナちゃんの「ど、どこ行ってたのよ!」を待ってます!よろしくです! (2018年4月9日 12時) (レス) id: 0262f2c5b7 (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - 健全(?)女子しょーがくせー(卒業して、いま春休み真っ最中)さん» そうだったんですかΣ(・ω・ノ)ノ!いえいえ、描いていただけただけでも光栄です!これからもよろしくお願いしますね(*´▽`*) (2018年3月30日 13時) (レス) id: dd38aab961 (このIDを非表示/違反報告)
健全(?)女子しょーがくせー(卒業して、いま春休み真っ最中) - モモハさん» もう、そちらに画像提供ができなくなったわけです。ごめんなさい!かくといっておきながら、中途半端なことしてしまって!ごめんなさい! (2018年3月30日 10時) (レス) id: 0262f2c5b7 (このIDを非表示/違反報告)
健全(?)女子しょーがくせー(卒業して、いま春休み真っ最中) - モモハさん» すみません!どうしても、飛べない事情が分かりました!私トンでもないミスを犯していまして、私ログインしてないので、iPadでアップロードしてるんですよ。それで、諸事情によりそのアップロードした画像を消さなければならないわけでして、それで (2018年3月30日 10時) (レス) id: 0262f2c5b7 (このIDを非表示/違反報告)
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