104枚目 ページ16
「くっそ、強ェ!」
「ふっふーん、僕ってば流石!ねー兄上ー!」
「まったく……当たり前でしょう。レオ、A様にちゃんと剣術指南したんですか?」
「ばっちり!」
「嘘つけ!」
俺は師匠に精一杯非難の一言を浴びせると、額の汗を服で拭いた。赤髪が肌に張り付き、結構気持ち悪い。運動部とか辛いよね、汗。特に夏ヤバいだろうに。そんなことを考える27歳魔王様。
剣術ではまったくもって敵わねぇ……ま、避けられるだけ儲けものだろ。おい、ちょっと!神様仏様作者サァン⁉なんかこう勝つ伏線とか貼ってねえのかよ!見切り発車とかマジ勘弁なんだが。
そんなこんなでうなだれるおっさん。見物人もだんだんと飽き、お開きムードに移行しようとする。
ふと、ロンドがこんなことを言い出した。
「魔王様、もう一度言いやすぜ。あんたは!剣士になるつもりなんですかィ⁉」
「え__まさか!」
目を見開いた魔王に、魔道士は不敵に笑う。
「
__呪文はテキトー、自分のやりたい魔法をイメージすることでィ。
「魔王様?ほらほら、早く再開するよー……え」
「【ナントカカントカ】!」
俺は師匠に勢いよく手を向ける。片手か○はめ波みたいなポージングでかっこよくキメたものの、しばらく沈黙が走った。
「にゃ?」
「あら?今何が……」
「お姉ちゃん、そこの猫娘、下がって。……ボクより前に出ない方がいいよ」
きょとんとしたカペル、シルヴァさんの前に立ち塞がった、イザベラちゃん、ロンドくん、リオナちゃん。後方の二人はポカンとするものの、他は口角をあげた。
「A……魔力もそこそこあるじゃない」
「つーか、なんで宰相の助手までわかるんでィ?」
「なんかわかるんだよ。はは、意外とボクも魔道士に向いてるのかもな」
見物人の見る方向には。
「あ〜、怠い。もう勝負とか良くない?僕、お腹すいたよ」
「え、ちょ、師匠?」
「A様……貴方一体どんな魔法かけたんですか?」
床にへなーんと寝そべる師匠。その表情はぽやぽやしており、堕落しきっている。多少戸惑いつつも、アルくんが場を締めた。
「えー、レオが試合放棄したということで……下剋上対決、勝者はA様です!」
雨が小降りになった。
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モモハ(プロフ) - 健全(?)女子しょーがくせー(明日で健全(?)女子ちゅーがくせー)さん» はい!ばっちり言う経緯とかも決めてあるので、お待ちください! (2018年4月9日 20時) (レス) id: 7ea4a0fdca (このIDを非表示/違反報告)
健全(?)女子しょーがくせー(明日で健全(?)女子ちゅーがくせー) - モモハさん» リクエストお応えありがとうございました!なかなかいい感じですなぁ。さてさて名物リオナちゃんの「ど、どこ行ってたのよ!」を待ってます!よろしくです! (2018年4月9日 12時) (レス) id: 0262f2c5b7 (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - 健全(?)女子しょーがくせー(卒業して、いま春休み真っ最中)さん» そうだったんですかΣ(・ω・ノ)ノ!いえいえ、描いていただけただけでも光栄です!これからもよろしくお願いしますね(*´▽`*) (2018年3月30日 13時) (レス) id: dd38aab961 (このIDを非表示/違反報告)
健全(?)女子しょーがくせー(卒業して、いま春休み真っ最中) - モモハさん» もう、そちらに画像提供ができなくなったわけです。ごめんなさい!かくといっておきながら、中途半端なことしてしまって!ごめんなさい! (2018年3月30日 10時) (レス) id: 0262f2c5b7 (このIDを非表示/違反報告)
健全(?)女子しょーがくせー(卒業して、いま春休み真っ最中) - モモハさん» すみません!どうしても、飛べない事情が分かりました!私トンでもないミスを犯していまして、私ログインしてないので、iPadでアップロードしてるんですよ。それで、諸事情によりそのアップロードした画像を消さなければならないわけでして、それで (2018年3月30日 10時) (レス) id: 0262f2c5b7 (このIDを非表示/違反報告)
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