俺は魔王で嫁が勇者でイベントあり過ぎてもう意味わかんないけど楽しくやってます。【名前変換オリジナルファンタジー】

49枚目 ページ7

「さて、国内には潜り込めたわけだけど」

「何者だ。勝手に城内に立ち入ったものは厳罰に処すぞ」

はーい、第一関門門番サーン。

だよね、知らねえおっさんとおっさんにしがみつく女の子が無言で通ろうとしたらそりゃ止めるわな。うん、知ってた。

つーかリオナちゃんは？ここでこう、なんやかんやで門番屈服させねえとでしょ⁉

という俺の気持ちが通じたらしく、トタッ、と馬から降りたリオナちゃん。いつものドレスとは違い、軽い服装にマントだけだから大分動きやすいらしい。フードが脱げて、露わになった顔に門番たちは目を見開く。

「あ、貴女は……⁉」





「リオナちゃん」

「何、A」

何じゃないでしょ！と檻をがしゃんと叩く俺。結構痛いなこれ。顔を歪めつつ勇者を見やった。

「なんで俺ら捕まってんの？誰だよドヤ顔でフード外したヤツ‼」

「う、うるさいわね」

「生まれつきだよ！」

リオナちゃんがフードを外した瞬間、何か攻撃をしてくると勘違いした門番たちは俺たちを拘束。見事に地下牢にぶち込まれたわけだ。

にしても、これからどうするか。

「……リオナちゃん、しょげんのは後でいいから。ほら、泣かない泣かない」

「泣いては、ないわ」

そう言って、檻の隅で体育座りをするリオナちゃんからはあからさまな負のオーラが漂っているわけで。床のほこりとか数えちゃってるところとか控えめに言って女神だわ。

牢獄の中なのに、ほんわりした俺でした。

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