74枚目 ページ32
暁の光が、ラギファルト大帝国を照らし始めた頃合い。今だ静かな王城の中、不審な影が蠢いていた。見張りの兵の目を掻い潜り、城から抜け出そうとしている。
「……よし、誰もいないな」
「そうだね、Aにゃん。……よ〜し、今にゃ!」
「何やってんの、
「ほう……それで?新たな
へー、と棒読みでいいのけるヴァレンタインに、なんか違くね⁉とツッコんだA。因みに普段仕事の時にAが座っている椅子に腰掛けているのはヴァレンタイン。足を組んで机の上に乗っけている。対するAは机の前に正座。
ヴァレンタインは自身のアホ毛を弄りながら、いつもと変わらない表情で魔王を見下ろしている。しばらく沈黙した後、口を開いた。
「……まあ、俺個人としてはいいんだけどね。主がどこで幼女と【ピー】とか【ピー】してもさ」
「おい」
「でも、一応仕事だしなあ。アルが……なんだっけ、外の仕事行ってるからさ、俺が主のこと代わりに面倒みなくちゃいけないし」
「あれ俺、保育園児扱いされてね」
つまりだ主、とヴァレンタインは瞬時に高く跳躍し、机の上に華麗に着地した。人差し指を立て、Aを笑顔で見下ろす。カペルが反動で、眠りながらも小さくにゃ、と呟く。
「俺も連れて行ってよ」
魔王様、外出します。
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866 - モモハさん» どーいたしまして!! (2018年7月15日 20時) (レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - 866さん» ありがとうございます!そう言っていただけるともう、あれです、昇天します()ありがとうございます! (2018年7月15日 16時) (レス) id: 7ea4a0fdca (このIDを非表示/違反報告)
866 - たまにメタなとこが出る、それがいい!! (2018年7月15日 7時) (レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
866 - 凄く面白いです!! (2018年7月15日 7時) (レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - リックンさん» そうなんですか、最近低浮上気味なんですが……これからも頑張ります(*´∀`*) (2018年6月27日 21時) (レス) id: c93a555509 (このIDを非表示/違反報告)
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