65枚目 ページ23
「えー、A様とリオナ様がご無事に戻ったのを祝うと共に。気が早いハロウィーンパーティー開幕です!」
「皆のものー!かんぱーい!」
リストの掛け声で、多くのグラスがぶつかる音がホールに響く。大きなシャンデリアの暖色のもとに、ラギファルト大帝国ハロウィーンパーティーが始まった。
それぞれが色々な仮装をする中、Aはというと。
「
「これか?村人の仮装だよ。様になるだろ」
「似合いすぎるよ主」
薄汚れた服に、泥のついたズボン。一番落ち着く格好で現れた魔王だった。ワイン片手に、ヴァレンタインと向き合う。
「そういうヴァルくんは……狼男か」
「ご名答。ササキに半獣人化するクスリ貰ってさ。ほらほら、本物の獣耳に尻尾だよ」
楽し気に自身をもふるヴァル。と、Aは声をかけられた。
「あ、アルくん」
「A様!ご無事で何よりです」
「今更だよねそれ。ま、嬉しいからいいけどさ」
「いえ……きょ、今日は一段とその、アバンギャルドなお召し物ですね」
気ぃ使われてる!?
Aは口に含んでいたワインをスプラッシュ。アルフレッドの顔面に命中した!アルフレッドに10のダメージ!ってんだよこれ。
「ええええっとぉ〜。アルくんもミイラ男?めっちゃイケてるよぉ?文〇トの太宰さんばりに神々しいからうん。血しぶきとかめっちゃリアルだかr」
「血しぶきじゃないです貴方様のワインです」
「スイマセンデシタ」
「む、Aー!」
くいくいと服の裾が引っ張られ、下を見るとキョンシーの姿が。赤毛のおかっぱが黒い衣装に映えている。もぐもぐ頬張っているのは、どうやら大きな飴玉のようだ。
「お父さん。結構似合ってんね」
「まあな!おぬしはなんか汚いぞ?ゾンビか?」
「村人ですよ!?」
ご飯ですヨ的な感じでツッコむAに、ケタケタと笑ったリスト。そのまま大人たちに菓子をせがんでくると言って魔女っ子ソフィちゃんのもとへ駆けて行った。
ふう、と魔王は壁際に移動し、壁に持たれかける。
なんつーか……。
「帰ってきたなあ……」
「そうね」
ぐほう⁉と隣を見ると、いつの間にかリオナの姿が。仰々しい角をつけ、胸元の空いたセクシーなゴシックロリータを纏っているそれは。
「サキュバスやん」
「あら、わかった?」
出会ったばかりの時を、思い出した。
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866 - モモハさん» どーいたしまして!! (2018年7月15日 20時) (レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - 866さん» ありがとうございます!そう言っていただけるともう、あれです、昇天します()ありがとうございます! (2018年7月15日 16時) (レス) id: 7ea4a0fdca (このIDを非表示/違反報告)
866 - たまにメタなとこが出る、それがいい!! (2018年7月15日 7時) (レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
866 - 凄く面白いです!! (2018年7月15日 7時) (レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - リックンさん» そうなんですか、最近低浮上気味なんですが……これからも頑張ります(*´∀`*) (2018年6月27日 21時) (レス) id: c93a555509 (このIDを非表示/違反報告)
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