61枚目 ページ19
「……帰ろう」
突然降ってきたおっさんが、汗と泥にまみれ、はァはァと息を乱しながら
「……え゛」
そう声が出てしまうのもしょうがないと思う。率直に言おう、気味が悪い。
いや、想像してみなさいよ。だってアレよ？整っているとは言い難い面持ちの年配の方が汗だくではァはァ言ってんのよ？え、私悪いかしら、悪くないわよね？悪いのはあの人の顔面とかその他諸々よね、うん。
「ハンカチどうぞ」
「あ、ども」
何故か兎の刺繍が入った女子力高めのハンカチを差し出すお兄様。流石に同情したのだろう、いつもより声色が優しく柔らかい。
しばらくAが汗(と多分涙)を拭い、周囲は沈黙。洗って返します、いえ大丈夫ですよ、と小競り合いをしたのち、お兄様のもとに戻ったビショビショのハンカチ。
気まずい。
そんな三人の沈黙を破ったのは、あの子の声だった。
「あ、リオナー！」
「エシナモ？」
庭を駆け抜けてくる親友の姿。ハーフアップの栗毛を風になびかせ、オーバーオールの格好のままやってくる。お兄様とAに気づき、一瞬は固まって申し訳なさそうに後ずさるものの、お兄様がいいぞ、と口を開くと彼女は私に駆け寄った。
「聞いてリオナ」
「どうしたの？」
「彼氏、できた！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 79人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
866 - モモハさん» どーいたしまして！！ (2018年7月15日 20時) (
レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - 866さん» ありがとうございます！そう言っていただけるともう、あれです、昇天します()ありがとうございます！ (2018年7月15日 16時) (レス) id: 7ea4a0fdca (このIDを非表示/違反報告)
866 - たまにメタなとこが出る、それがいい！！ (2018年7月15日 7時) (レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
866 - 凄く面白いです！！ (2018年7月15日 7時) (レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - リックンさん» そうなんですか、最近低浮上気味なんですが……これからも頑張ります(*´∀｀*) (2018年6月27日 21時) (レス) id: c93a555509 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
