恋は何歳まで出来ますか？

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………。
なんだよっ！今の！
全然会話になってない！
あいつ謝ることしかしてないじゃないか！


それに、行ってないなんて、そんな嘘。


「うっざ！」


舐めんなよ。
オレは北山 宏光の子だ。(今は藤ヶ谷だけど)


母さんの恋を見てきた、オレは教わったじゃないか。


恋に駆け引きなんて、必要ないって。


当たって当たって当たって、砕けるなって。



こうなりゃ、強行突破だ。
オレを子供だと思ってるアイツの頑固な脳みそをほじくり返すしかないっ！


うだうだなんて、してられない。
好きな理由なんて、知らない。
可哀想だということしか、ない。


あと、時間もない。


あいつは、あと二週間ちょっとで、また地方に戻ってしまうのだから。



裕太は、上半身を覆っていた衣服を全て脱ぎ捨て、下半身のジーンズのみを履いた状態で、リビングを出た。向かうは、弟の部屋。
宮田が寝泊まりしてる部屋だ。



音を立て、そのドアを開けると、宮田はベッドへと腰掛けていた。



射し込む光に照らされた裕太の上半身が宮田の双眼に入る。
白くて、綺麗な肌に、瞳が吸い込まれそうになるのを、視線を逸らすことにより、免れようとした。



「…昨夜！オレ、キスしたんだけどっ！あんたに！」



ドカドカと部屋に乗り込む裕太は、ベッドに腰掛ける宮田の前に跪いた。



「…なかったコトになんか、すんな」



跪いてる関係から、宮田を見上げる形となる裕太はその逸らそうとする宮田の瞳をしっかりと捕らえた。



「オレは、あんたの子供じゃない。」
「………っ、」
「好きなんだけど」



好きなんだけど、理由なんてない。
今、伝えた。
どうしてだろう、伝えただけで泣きそうになる。



一世一代の告白に、宮田は残酷な言葉を返す。
それも、笑いながら。



「…裕太くん、それは...勘違いだよ。」



何で、人の心は見えないのに、勘違いなんて言うんだよ、そう返したいのに。言葉が出ない。
…今、振られてる...？



「こんなバツイチのオッサンにそんな感情抱くなんておかしいよ。裕太くんは、大人に興味があるだけだよ」



裸で、清水の舞台から飛び降りる思いの告白は無惨にも、"勘違い"であしらわれる。



この人は、どうすれば…信じてくれる？
どうすれば、母さんみたいに頑張れる？



「…じゃあ、試させてよ？勘違いなのか」



引き下がれない。
引き下がったら、終わる。
そう母さんに教えてもらったから。



裕太は宮田をそのままベッドの上へと押し倒していた。

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