★《偶然の帰り道》上杉 実 ページ9
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年末の仕事納めに向けて、慌ただしさが加速する毎日。
残業続きのAに、クリスマスなんてものは来なそうだ。
人通りの少なくなった帰り道、ふと聞き覚えのある声が聞こえた。
「あれぇ、Aちゃんや〜〜？」
「あ、実さん。お疲れさまです。」
Aに声をかけたのは、Aが勤める会社の近所にある自動車会社ペガサスで働いている上杉実。
「そっちこそお疲れさまぁ。こんな時間まで何してん〜？」
「残業です。年末の会計報告書が書き終わらなくて。」
「うわ、そら大変やなぁ。終わりそうなん？」
「大丈夫です！あ、実さんは何を？」
「……あ〜恭介たちと呑んだ帰りやねん。ふふっ。」
妙に語尾が伸びている実に、Aは半分からかうように告げた。
「実さん酔ってるでしょ。」
「そんなワケあらへんて。……せや、Aちゃんおうちどこやったっけ？」
「私は駅の向こう側です。」
「え、ほんま？俺もそっち方面やねん。近くまで一緒に帰ろうや。」
「いいんですか、ありがとうございます。」
そう言って歩き出してすぐ、2人の近くで突如飛び交うサイレンと怒号。
『こらっ、待ちなさい！！』
『そこの車！止まりなさい！！』
走り去るパトカーを目で追いながら、実がポツリと呟いた。
「うわ〜やっぱし年末は物騒やなぁ〜。しばらく帰るの遅くなりそうなん？」
「……たぶんそうですね。」
「せやったら、明日も一緒に帰らへん？こんな時間にAちゃん一人は危なすぎるやろぉし。」
「いやいや、実さんにそんなご迷惑かけられないですよ。」
そう言って提案を遠慮するAの腕を掴み、実は真剣な表情で告げた。
「……ちゃうちゃう。俺がそうしたいだけやで。Aちゃんにもしものことがあったらイヤやねん。」
普段見たことのない実の表情に胸がドキリとするA。
「///……でもっ、明日は…！」
「え？明日？……あぁクリスマスか！」
実はくしゃっと笑ってAに答えた。
「どうせ元から予定なんて無いし大丈夫やで！……むしろ、Aちゃんと居れたら嬉しいねんけど。」
「……いいんですか、お願いしても。」
「当たり前やん！ほな、これ俺の名刺。連絡してや。」
「ありがとうございます…！」
そんな会話を終えて2人は別れた。
その後ろ姿を見つめながら、実は心の中で呟いく。
(……ほんまは今日も待ってたんやけどね。)
「さて、ビールでも買ってかーえろ♪」
実は軽い足取りで、いま来た道を帰っていった。
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●《メリークリスマス》セイバー from 飛翔真・倫太郎・賢人→←★《夢の続きを》志葉 丈瑠
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くっきーー(ﾟﾚ゜)(プロフ) - 幽々華さん» お返事が遅くなりまして申し訳ありません！リクエストありがとうございます！第10章にて続編を書きますので、ぜひお待ちいただけたらと思います(^^) (2021年12月17日 0時) (
レス) id: d79e2b38c6 (このIDを非表示/違反報告)
幽々華(プロフ) - 別の機会にでも剣崎君メインの「嘘色の祝福」後日談が見てみたい…… (2021年5月29日 2時) (レス) id: 1e7a7481f9 (このIDを非表示/違反報告)
くっきーー(ﾟﾚ゜)(プロフ) - 里香さん» ご感想ありがとうございます！強がる賢人と包み込む夢主ちゃん、という対比を意識したのでそう言って頂けて嬉しいです(*^^*)オチの芽依ちゃん私も好きです♪笑 またよろしくお願いします！！ (2021年1月10日 22時) (レス) id: 518184db7c (このIDを非表示/違反報告)
くっきーー(ﾟﾚ゜)(プロフ) - あずきさん» お返事遅くなりまして申し訳ありません。明けましておめでとうございます♪不破さんがツン担当してるのも良いですよね！嬉しいコメントありがとうございます。また今年もよろしくお願いします(^^) (2021年1月10日 22時) (レス) id: 518184db7c (このIDを非表示/違反報告)
里香(プロフ) - 賢人くんのお話、ありがとうございました。夢主ちゃんと賢人くんの関係性、最高でした。一番最後の芽依ちゃんも可愛かったです。 (2021年1月10日 21時) (携帯から) (レス) id: a371ba2978 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くっきーー(ﾟﾚ゜) | 作成日時：2020年12月19日 20時
