★《ささやかな日常を君と》不破 諌 ページ22
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お決まりのスーツにモッズコートを羽織る不破諫は、白い息を吐きながら駅前のオブジェに寄りかかっていた。
数分に一回、溢れるように人が流れ出てくる駅の改札をぼんやり見つめながら、不破はある人の帰りを待つ。
そんな不破の背後から、ゆっくりと忍び寄る手。
気配を消したその人物は、気付かれないよう細心の注意を払いながら彼のもふもふなフードに手をかけた。
ﾊﾞｻｯｯ
「っ！？」
突然誰かにフードを被された不破は、ﾋﾞｸﾘと肩を寄せて驚きながら振り返る。
そこにはいたずらっ子のように悪い笑みを浮かべるAがいた。
「やぁお待たせ♪」
「おまっ、普通に声かけらんねぇのかよ！」
「えへ、ごめんて〜〜。寒そうに待ってる諫が可愛くてついイタズラを。」
目をまん丸にして怒る諫と、へらっと笑って謝るA。
可愛い、とAに言われた諫はﾌﾟｲｯと顔を逸らした。
「俺に可愛いとか言うなっ。」
「おやおや？照れてる？？」
「うるせー、さっさと帰んぞバカ。」
「わっ、待って〜。」
諫に、強引に腕を引かれるようなカタチで歩き出したA。
繋いだ手の冷たさを互いの温度で馴染ませながら、2人は肩を並べて帰路につく。
「ただいま〜〜」
「おかえり、んで邪魔するぜ。」
遊びに来た方が帰宅の挨拶に答えるという恒例のやりとり。
慣れたようにAに返事し、家に上がった不破。
「あ、そうだ。諫、冷蔵庫開けてみてよ。」
「は、なんで。」
「いいからいいから。」
不破がAに促されて渋々と扉を開けると、そこにはラップがかけられた手作りケーキ。
「じゃーん♪お誕生日ケーキ！」
一緒に扉の中を覗き込みながら、Aは諫に笑いかけた。
しかし、諫は何故かぽかんとしていた。
「……これ誰のだ？」
「えええっ？諫のですけど？自分の誕生日忘れた？」
「……あ、今日か。俺の誕生日。」
「も〜しっかりしてよ。笑
まぁこんな風に2人でちゃんとお祝いできるの、久しぶりだけどね。」ｷﾞｭｯ
すっかり自分の誕生日を忘れていた諫に、Aは笑いながら抱き着く。
「A……」
「ん〜？」
返事をしながら顔を上げると、視界いっぱいに諫の顔。
ﾁｭｯ
優しく触れるようなキスに、Aは目を細めて微笑んだ。
「ありがとな、俺のために。」
「いーえ。……こちらこそ、いつもありがと。」
□■□■
12/27 岡田さん & 2/8 不破さん
♪Happy Birthday♪
□■□■
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くっきーー(ﾟﾚ゜)(プロフ) - 幽々華さん» お返事が遅くなりまして申し訳ありません！リクエストありがとうございます！第10章にて続編を書きますので、ぜひお待ちいただけたらと思います(^^) (2021年12月17日 0時) (
レス) id: d79e2b38c6 (このIDを非表示/違反報告)
幽々華(プロフ) - 別の機会にでも剣崎君メインの「嘘色の祝福」後日談が見てみたい…… (2021年5月29日 2時) (レス) id: 1e7a7481f9 (このIDを非表示/違反報告)
くっきーー(ﾟﾚ゜)(プロフ) - 里香さん» ご感想ありがとうございます！強がる賢人と包み込む夢主ちゃん、という対比を意識したのでそう言って頂けて嬉しいです(*^^*)オチの芽依ちゃん私も好きです♪笑 またよろしくお願いします！！ (2021年1月10日 22時) (レス) id: 518184db7c (このIDを非表示/違反報告)
くっきーー(ﾟﾚ゜)(プロフ) - あずきさん» お返事遅くなりまして申し訳ありません。明けましておめでとうございます♪不破さんがツン担当してるのも良いですよね！嬉しいコメントありがとうございます。また今年もよろしくお願いします(^^) (2021年1月10日 22時) (レス) id: 518184db7c (このIDを非表示/違反報告)
里香(プロフ) - 賢人くんのお話、ありがとうございました。夢主ちゃんと賢人くんの関係性、最高でした。一番最後の芽依ちゃんも可愛かったです。 (2021年1月10日 21時) (携帯から) (レス) id: a371ba2978 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くっきーー(ﾟﾚ゜) | 作成日時：2020年12月19日 20時
