92.サッカー部の魅力３ ページ46
数分後、思いついたようにエマは顔を上げると紀村はペンを持ち直す。
「男性陣が熱血漢なところです」
熱血漢と言われるとなぜか円堂の顔がAは思い浮かんだ。
「さくら元町のサッカー部は帝国学園に勝つことを目標としていました」
帝国学園は４０年間ＦＦの頂点に立っていた。しかし、円堂守率いる雷門サッカー部が、去年優勝を果たしたことで帝国学園の優勝記録は塗り替えられた。
「去年は本戦に出ることができなかったので、今年こそは本戦に出ようと意気込んでいたのですが…」
そこでAはふと疑問に思った。Aの記憶ではさくら元町と言う学校名は見たことも聞いたこともなかった。少なくとも紀村は何かを察しているようだ。
「今年から導入されたスポンサードと言う制度はご存知ですよね」
スポンサードとは、人気の高まった少年サッカーの試合の運営を各学校のスポンサーが行うものだ。スポンサーがつかなかった学校は試合を行うことができず、最悪の場合サッカー部は廃部に追い込まれてしまう。
稲森や氷浦達が通う伊那国島の中学校のサッカー部も廃部に追い込まれた学校のひとつだ。
「さくら元町のサッカー部はスポンサーがつかなくて…サッカー部が無くなってしまいました」
努力しても報われることがないこともある。何校もサッカー部がなくなってしまったのは、スポンサードの陰の部分とも言えるだろう。
「今は他の部活に入っているのかな？」
「今は入ってないです。他のことで忙しくなったので」
「なるほどね」
紀村が頷きながらメモに書きつける。これで紀村が出したテーマをA達は話し終えた。
「とても参考になったよ。貴重な話を聞かせてくれてありがとう！」
「いえ、こちらこそありがとうございました」
Aが会釈をして感謝の言葉を述べ、取材は終了した。
自室に戻る途中、Aが考え込んで立ち止まった。
「どうかしましたか」
「恵麻ちゃんのことあまり知らないと思ってさ」
「そうですか」
素っ気ない返事を返すと、Aがエマの前に回り込む。
「ねぇねぇ、もっと教えてよ！恵麻ちゃんのこと」
「お断りです」
「けちー」
興味津々なAに即答できっぱりと断るエマに不満そうに頬を膨らませるA。
そんなことを言いつつ、内心は少し嬉しかったのだが、言ってしまうのもなんだか勿体なくて、そっと心に留めたエマであった。
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加奈子(プロフ) - 星野結花さん» ありがとうございます！ (2019年12月1日 21時) (
レス) id: a62379125a (このIDを非表示/違反報告)
星野結花 - この小説すご〜く好きです!これからも頑張って下さい!応援しています(*^_^*) (2019年12月1日 10時) (レス) id: 09968e6ae8 (このIDを非表示/違反報告)
加奈子(プロフ) - りんねさん» 楽しんでいただけて幸いです！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: a62379125a (このIDを非表示/違反報告)
りんね - 妖怪ウォッチもイナズマイレブンも大好きだから見てて楽しいです！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: e73a160d29 (このIDを非表示/違反報告)
コロニャん - 返信ありがとうございました！ (2019年6月8日 13時) (レス) id: d3d7c71152 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：加奈子 | 作成日時：2019年4月4日 19時
