89.取材 ページ43
宿舎の談話室前の廊下でエマとAの両名が緊張した面持ちで歩いていた。
今日、談話室では月刊ワールドサッカーと言う有名なサッカー雑誌の記事を書くための取材が行われている。
Aらが取材を受ける前に、明日人、灰崎、野坂の三人が取材を受けていたが、三人の取材が終了後、Aとエマは呼び出されたのだ。
「稲森さんやA先輩が取材を受けるのは理解できるのですが…なぜ、私のような新参者まで…」
「インタビューなんて滅多に受ける機会ないと思うけどな。そんな事言わずに張り切っていこうよ！」
唇を尖らせて不満を言うエマとは対照的に、ご機嫌なAは取材が受けられるのを今か今かと待ちわびている様子だ。
談話室に到着すると、Aが勢いよく扉を開けた。室内にいた男性がAを見るが否や微笑みを浮かべた。
「初めまして、記者の紀村です。今日は来てくれてありがとう！」
「いえ、あの有名な月刊ワールドサッカーの取材を受けられるなんて嬉しいです！」
Aの返答を聞くと、紀村はAの隣に座って黙り込んでいるエマに目をやる。
紀村の視線が自分にそそがれていることに気がついたエマは姿勢を正して一礼する。
紀村はボイスレコーダーのスイッチを入れ、メモの用意をした。
「じゃあ、早速取材を始めていくよ。おふたりに聞きたいのは…」
たっぷり間を取り、紀村が鞄の中からボードを取り出し、そのボードに書いてあることを読んだ。
「ずばり、君たちが所属しているサッカー部の魅力だ！」
紀村の言葉に考え込んだAだが、ふと疑問が頭に浮かぶ。
「紀村さん、彼女はサッカー部ではないと思いますよ」
「いや、恵麻さんはサッカー部だよ。これを見てごらん」
紀村が胸元から一枚の写真を取り出すと、Aに渡した。紀村から渡された物は【さくら元町】と刺繍が入ったユニフォームを着た少年達が笑っている写真だった。
中央にいる肌が小麦色に焼けた少年がキャプテンマークを付けている。この少年がキャプテンとみて間違いないだろう。
だがしかし、エマらしき人物は見当たらない。写真を持ち上げて思案顔のAに観念したようにため息をついたエマが右端の短髪の藍色の髪色の少女を指差す。
「別人みたいだね」
「そうですかね…」
苦笑しながらAから写真を受け取ると、エマが写真を無造作にポケットに突っ込んだ。
見られたくないものだったのだろう。紀村には返すつもりはないようだった。
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加奈子(プロフ) - 星野結花さん» ありがとうございます！ (2019年12月1日 21時) (
レス) id: a62379125a (このIDを非表示/違反報告)
星野結花 - この小説すご〜く好きです!これからも頑張って下さい!応援しています(*^_^*) (2019年12月1日 10時) (レス) id: 09968e6ae8 (このIDを非表示/違反報告)
加奈子(プロフ) - りんねさん» 楽しんでいただけて幸いです！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: a62379125a (このIDを非表示/違反報告)
りんね - 妖怪ウォッチもイナズマイレブンも大好きだから見てて楽しいです！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: e73a160d29 (このIDを非表示/違反報告)
コロニャん - 返信ありがとうございました！ (2019年6月8日 13時) (レス) id: d3d7c71152 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：加奈子 | 作成日時：2019年4月4日 19時
