59.神話 その果てに ページ13
強い光が視界から消えたことを感じて、そっと目を開けると、エマの視界にはどこまでも続く草原が広がっていた。
きょろきょろと周りを見ると、ナツメやケイスケ達の姿があり、皆の視線が一点に集まっていた。
視線の先を点々とたどると、中央部分に石があり、その石には一体の妖怪が鎖でつながれていた。妖怪の側には、アキノリとトウマが立っていて、2人の背後にはうっすらと妖怪が見える。
ナツメが驚いたように目を丸くし、鎖でつながれている妖怪を見つめて、その妖怪の名をつぶやくように言った。
「…空天…」
(空天ってたしか…朱夏に仕えていた…)
エマがナツメに目を向けると、ナツメは平然を装っているように見えるが、どこか物悲しそうに見えた。
その時、ナツメの声に反応するように、空天がゆっくりと目を開けた。
なぜこのような姿になったのか、ナツメに問い詰められると、空天は俯いて目を伏せた。
空天の代わりに玄冬と白秋が術を使いながらも、空天の事について話し始めた。
2人から聞いた話は、現代に伝えられている事と全く違っていた。
空天は罪を被せられて、朱夏から引き離されたこと。
空亡になってしまったのは、本当のことを伝えられない無念、自分に罪を被せた相手に対する憤りが積もりに積もって、いつのまにか空亡になっていたと言う。
「朱夏様…申し訳ありません」
空天が謝る姿を見たナツメ。
ナツメは今まで隠されていた真実を知って、自分のしてしまったことに対し、後悔の念にかられていた。
ナツメは空天の目の前で片膝をつき、瞳から大粒の涙をこぼしながら空天に言った。
「…すまぬ…空天…わらわのせいで…そなたの大切な時間を奪ってしまった…」
ナツメが顔を上げると、空天はふっと微笑んだ。とたんに空天の体が透けた。
空天はナツメ達に礼の言葉を述べて、空に昇っていこうとすると、ナツメの身体から朱夏が出ていった。
2人は空中で互いの手を取り合い、空に昇っていった。そんな2人を追いかけるように白秋と玄冬も空に昇っていく。一同は朱夏達の姿を見えなくなるまで見送っていた。
時刻は夕暮れ時
エマが時間を確認して、思い出したように言った。
「あ、私そろそろ帰んなきゃ」
「えぇ！あんなに妖力使ってたのに身体の方は大丈夫なの？」
「大丈夫だよ！じゃ、またね！」
心配するナツメ達に笑顔で別れを告げたエマは、選手寮に戻るべく空に飛びたった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 17人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
加奈子(プロフ) - 星野結花さん» ありがとうございます！ (2019年12月1日 21時) (
レス) id: a62379125a (このIDを非表示/違反報告)
星野結花 - この小説すご〜く好きです!これからも頑張って下さい!応援しています(*^_^*) (2019年12月1日 10時) (レス) id: 09968e6ae8 (このIDを非表示/違反報告)
加奈子(プロフ) - りんねさん» 楽しんでいただけて幸いです！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: a62379125a (このIDを非表示/違反報告)
りんね - 妖怪ウォッチもイナズマイレブンも大好きだから見てて楽しいです！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: e73a160d29 (このIDを非表示/違反報告)
コロニャん - 返信ありがとうございました！ (2019年6月8日 13時) (レス) id: d3d7c71152 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：加奈子 | 作成日時：2019年4月4日 19時
