とある刀剣の昔話 ページ31
「おい、宗三」
「……長谷部ですか。なんです？」
「何、と言うのか……」
聞きにくそうに口ごもる友に、乱れた戦装束を着た宗三左文字は感情を圧し殺して静かに答える。
「……大丈夫ですよ、僕は」
「しかし……お前は、もう」
「独りではありませんよ。貴方や薬研、不動、他にも刀剣男士はいるのですから」
今は、まだ。そう言いかけて口をつぐむ。言霊が宿ることを恐れたのだ。
「兄弟は地獄から抜け出せた。……あの道が、一番だったんです。苦しむのを見るのが、何よりも辛い」
「宗三……」
「貴方もそうでしょう？ 長谷部。貴方は、僕よりも血に、涙に、濡れているはずだ」
戦装束を着たへし切長谷部を振り返らない宗三。長谷部はしびれを切らしてその細い肩をつかみ、こちらに振り向かせた。
「泣け」
「……泣いたらあいつが喜びます。あいつの楽しみを増やし、つけあがらせるのは御免です」
「それは言い訳だ。あいつは一週間は帰ってこない。泣け」
「僕は……っ」
宗三は肩を揺らして長谷部の手を振り払おうとする。長谷部は強く握って離そうとしない。宗三は諦めたのか、動きを止めた。
「僕に……泣く権利はない」
「そんなことは……」
「あるんです！ 僕は……よかったと、心底思った。思ってしまった！」
喚く宗三。長谷部は驚きで目を見開いた。
「僕は弟なんです。僕は兄なんです。僕は──兄弟なんです」
そこにもう温もりがないことを悲しまないといけないんです！ と絶叫する宗三。
「初代の時は……考えもしませんでした。大切な兄弟を失うことを、悲しめないなんて」
戦国武将でもないのに、と宗三は皮肉げに口を歪め、さらに捲し立てる。
「僕は、
、、、、、、、
心から安堵したんです。兄弟がいなくなったことに。もう、兄弟が苦しむ姿を見なくて済むことに」
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ミナ(プロフ) - 紅葉蓮＊文才ほしいさん» 長々とありがとうございました、 (2017年12月28日 17時) (
レス) id: 2587896c62 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮＊文才ほしい(プロフ) - ミナさん» 体躯→宗三左文字ベース。城田真昼よりは身長が高く、宗三左文字よりは低い。細身で刻印のようなアザがある という感じの設定になっています。 (2017年12月28日 16時) (携帯から) (レス) id: 5fe719242e (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮＊文才ほしい(プロフ) - ミナさん» そうですね、現段階では目→宗三左文字ベース。同じ色、雰囲気 顔立ち→宗三左文字ベース。いくらか年相応に幼くになっている 髪→城田真昼ベース。城田真昼に比べ前髪は長め (2017年12月28日 16時) (携帯から) (レス) id: 5fe719242e (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - 紅葉蓮＊文才ほしいさん» 返答ありがとうございます、よろしければベースはどちらだとか、ここはこっちの要素だとか、髪型はどうとかそういった設定を出していただけると嬉しいです。ご検討おねがいします (2017年12月28日 15時) (レス) id: 2587896c62 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮＊文才ほしい(プロフ) - ミナさん» 両方混ざってます。 (2017年12月28日 15時) (携帯から) (レス) id: 5fe719242e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉蓮 | 作成日時：2017年8月24日 20時
