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黒百合姫と白雪姫 […*☆紫猫姫☆*…様リクエスト] ページ36

(こちらは紫猫姫様の『エモーションアイリス症候群』とのコラボ作品です)







一瞬、天使が落ちてきたのかと思った。
銀色の髪が空気になれる光景はいっそ神秘的だった。





「え?」






「あ」






落ちてくるその影を咄嗟に抱きとめる体勢になり、数秒後に響いたのは倒れる音。






「大丈夫、ですか…?」







倒れる人物の顔を確認したAは、起き上がる人物を見て少し驚いた。
とても、綺麗な少女だった。
銀色の髪に所々入った青い色、瞳は綺麗な青色で、左目の眼帯が目を引いた。
年は自分より下に見える。
何処か不思議な雰囲気が漂う少女だ。







「大丈夫、ありがとう」







少女特有の可愛らしさと美しさを持った声だ。
ふとAは思った、そもそも、何故今空から起きてきた?
空から女の子が!という状況に首をかしげる間もなく、
Aは「あっ」と一つの心当たりを思い出した。







「すみません、あの、一つ伺っても…?」







少女はコクリと頷く。
すると、「あ」と何かに気づいたようにAの顔を見つめた。







「さっき、私に異能をかけた人?」







その瞬間、Aは土下座をした。
確認するまでもない、彼女はAの母、雪によって異世界に飛ばされたのだ。
魔女の通り名でおなじみの、楽しいことが大好きなアグレッシブな異能者である。






「申し訳ありません、本当に…」







「…あれ、違う人?」







少女は首を傾げ、じっと見つめてくる。
天使かと見紛う少女に見つめられ、いたたまれなくなってきた。






「詳しくは話せませんが…身内です」







「…似過ぎ」







「よく云われます」







「瓜二つ…異能?」







残念ながら天然物です、Aは心苦しくなった。







「戻れるまで、私が責任とりますから」








Aはせめて、この少女を守ろうと決心した。







「…同じ顔なのに」








少女はAを見つめて不思議に思った。







『あら、可愛らしいお嬢さん』







"この世界に飛ばした彼女"は、目の前の土下座をする少女と同じ顔をしていた。
同じ顔、身内なのに、二人はまるで別人だった。







「名前…聞いてもいい?」







少女の問いかけに、Aはハッとする。






「A、小泉Aです」







「私は、死牙」







死牙、そう名乗った少女の瞳は静かだった。
一瞬、花のような香りがしたのは気のせいだろう。

*→←*



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もこすけ(プロフ) - anonimas594さん» 恥ずかしさが上回り、凶暴化する小泉なのでした。ご質問ありがとうございました。 (2019年12月22日 19時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
anonimas594(プロフ) - なるほど可愛らしいところもあるけどそれ故に凶暴なんですね!返答ありがとうございました。 (2019年12月22日 18時) (レス) id: ae39e9e256 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - anonimas594さん» コメントありがとうございます。はい、ききます。ですが本人も理解しているので近づかれた瞬間相手は宙を舞うでしょう。あと場合によっては殴られるので誰も小泉にやろうとしません。 (2019年12月22日 15時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
anonimas594(プロフ) - コメント失礼します!ものすごく気になったことなので質問します。小泉ちゃんって脇腹ききますか?! (2019年12月22日 13時) (レス) id: ae39e9e256 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 姫歌さん» ありがとうございます。私もとても楽しかったです。またコラボしましょう。ありがとうございました! (2019年8月17日 20時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2019年6月16日 20時

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