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雪のように白い肌、赤茶色の髪、林檎のような唇。
子供らしからぬ美しさを持った双子。
危うさすら感じるその美貌と、姉が見せるふとした瞬間の表情は
慥かにAを彷彿とさせるものだった。







「太宰君、それは可笑しいですよ。
だって彼女は彼と面識なんて一切…」







「…例えば、時間系列の違う世界の話からこの子達が来たとしたら?」







ありえない話だが、異能が存在するこの世界に絶対ありえないなんてことは無い。
安吾は思うところがあるらしく、ハッとした顔をする。






「よし確認しよう、場合によっては私が引き取る」







いつになく本気な目で太宰は双子の方を向く。







「君たちのもう一つの苗字は、小泉だね?
母親は小泉A…間違いない?」







双子は顔を見合わせ、そして「「うん」」と答えた。
太宰は何故かガッツポーズをした。







「太宰君、双子を抱き上げないでください、落ち着いて」







「変な人」







「上の子Aちゃんにソックリすぎる」








すると、後ろからバチバチッという音がした。
驚いて後ろを見ると、そこにはスタンガンを構えたAがいた。






「ロリコン…誘拐…貴様…」







「あっとんでもない勘違いしてる待って」








「まさか貴方も…?」







「まさかそんな、太宰君単独の犯行です」







Aの矛先が向かいそうになった安吾は太宰を売った。
太宰の顔は見ないように。






「「お母さん」」







「…え?」







双子が太宰からAに飛びつく。
Aは双子ごとひっくり返り、「え…え…!?」と目を丸くしている。






「ど…どういう…」







恐らくAは事情を説明しても半信半疑だろう。
そもそも、この双子は別時間軸の織田との子であり、
異能者によりこちらに一時的に飛ばされた存在なのだ。
子どもに甘いAは突き放すことも出来ず、ただただ混乱していた。







「…あっちではお父さんは生きてるのかい?」







その問いに、双子の姉は首を振った。
太宰は判っていたように息を吐き、そして安吾の腕を掴んで一言。








「じゃ、あとはよろしくね!」








「はっ!?」








三人を残し、安吾を連れて逃げた。
後ろで叫ぶAの声を聞きながら、







「織田作が幸せな世界ならいいなぁ」








とだけ呟いた。
その後、双子が居なくなるまでAは「お母さんじゃない、まだそんな歳じゃ…」と云い続けた。

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もこすけ(プロフ) - anonimas594さん» 恥ずかしさが上回り、凶暴化する小泉なのでした。ご質問ありがとうございました。 (2019年12月22日 19時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
anonimas594(プロフ) - なるほど可愛らしいところもあるけどそれ故に凶暴なんですね!返答ありがとうございました。 (2019年12月22日 18時) (レス) id: ae39e9e256 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - anonimas594さん» コメントありがとうございます。はい、ききます。ですが本人も理解しているので近づかれた瞬間相手は宙を舞うでしょう。あと場合によっては殴られるので誰も小泉にやろうとしません。 (2019年12月22日 15時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
anonimas594(プロフ) - コメント失礼します!ものすごく気になったことなので質問します。小泉ちゃんって脇腹ききますか?! (2019年12月22日 13時) (レス) id: ae39e9e256 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 姫歌さん» ありがとうございます。私もとても楽しかったです。またコラボしましょう。ありがとうございました! (2019年8月17日 20時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2019年6月16日 20時

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