お隣りさんちのヒョクチェくん3

流れ星 ページ7

小学生の頃。
真冬の12月初め。

今年は、33年に一度の大流星群が観測できる。
そう報道されてから。
韓国中が、そのニュースで持ちきりだった。

その日は寒波が襲って、例年より冷え込んで。
しかも、観測できるのは夜中。

小学生の私たちが、起きて観察するのは難しかった。



それでも。

絶対に流れ星を見たかった私は。
夜中、親に内緒で家をこっそり抜け出して。

ヒョクと手を繋いで、小学校の校庭に向かった。


風邪引くから、とか。
お父さんとお母さんに怒られるから、とか。
そんな時間に、外に出るなんて危ない、とか。

最初は色々反対していたヒョクも、私の熱意に負けて。
一緒に来てくれたんだよね。



私たちは、大げさなぐらい厚着して。
水筒に、温かいお茶を入れて。

準備万端で校庭に着いたのに、シートを忘れて。
背中が冷たいまま、校庭に寝そべった。



しんとした夜空と。

物音一つしない校庭。


『ヒョクオッパ。ながれ星、ほんとに見えるかな……？』


さっきから真っ暗なままの夜空を見上げる。


ﾋｮｸﾁｪ『見えるよ！Aが心からねがえば、ぜったい見れる！』


ヒョクオッパの言葉は、魔法の言葉。

オッパにそう断言されたら。

本当にそうだって、信じられる。





ﾋｮｸﾁｪ『あ！見て！！』

『ながれ星！！』



その時、流れ星が一つ流れた。

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