お隣りさんちのヒョクチェくん3

エスコート ページ2

はぁ……

気が重い………



今日は、例のパーティーの日。

最初は顔を出すだけでいいから、なんて言ってたくせに。
直前になって、取引先のご子息にエスコートされて、会場に行くことになったと言われた。

社長、約束が違うんですけど………！！


正直、行きたくない。

でも、休みをもらってしまった手前。
今さら、断る訳にもいかず。
会場の外で待っていると。



??『お待たせしました、Aさん！』


声を掛けられ、振り向いた先には。
例の取引先のご子息が、タキシード姿で立っていた。


??『ははっ♪お会いできて、光栄です！以前からずっと、あなたに憧れていたんですよ♪ 』

そう言って、私の右手をそっと手に取り。
挨拶のように、彼は手の甲にキスを落とした。

なんてキザな人。


『それは、どうも……』

何とかそう返して、作り笑いをする。


私、この人苦手だ……
きっと、顔にも出てしまっているだろう。


ｷﾑ『僕は、キム・ジョンウクと申します。お見知りおきを……』

『あ、私はAと申します』

ｷﾑ『もちろん知っていますよ！(笑)あなたのペンなんで♪』


私のひきつった表情なんて、お構いなく。
彼は話を進める。


ｷﾑ『今日は、Aさんにどうしても会いたくて。父に無理言ってお願いしたんです(笑)いやー、やっぱりお美しいですね♪ドレスも素敵です！』

『はぁ…そうですか………』


浮き足立ってる彼と、引きつり笑いの私。


ｷﾑ『それでは、行きましょうか？』

彼は右腕の肘を曲げて、私に腕を組むよう促す。

『ええ』


彼の右腕に、左手を添えて。

エスコートされるまま、会場に入った。

苦手な世界→←社長の頼み

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す