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「如月A、よろしく」

珍しくも眉を寄せ不機嫌そうな顔をしているAの目の前にはたくさんの子供たち。隣には先生がいる。

これで察した方もいるかと思うが、幼稚園での自己紹介だ。

普通自己紹介なら愛想よくしておくもんだけど生憎私は今気分が悪いので怒り気味の顔である。

自己紹介が終わると母は名残惜しそうな顔をして先生によろしくお願いします。と言って帰っていった。

早く帰ってリョーマに会いたい。テニスがしたいなどという欲が滲み出てきて、果てには自分だけの世界へと導かれる。

あぁ、早く愛しのリョーマをギュッと抱きしめたいよ。

?「Aちゃん」

ほんとにあのこ可愛すぎる。どうしてそんなに可愛いの?お姉さん死んでしまうよ。

?「Aちゃん?」

抱きしめられた時だって可愛すぎて鼻血出すかと思ったよ。
あ、なんか思い出したらニヤけてきた。

?「Aちゃん!」

事実に妄想が加わり、もう手遅れ状態のA。そんなことをしていたものだから誰かに呼ばれていただなんて気づいてもいなくて、大きな声で言われてやっと気づく。

なんだよ急に大声出して、驚くじゃないか。

と、その子を見るや否や私は固まってしまった。茶色いストレートの髪に驚くほどに白い肌、見れば見るほど綺麗という言葉の方が似合うような女の子がいたのだから仕方がない。

「貴方、誰?」

「不二周助、よろしくねAちゃん。」

よく耳に響き、想像通り綺麗な声で答える。
というか、さっきから気になっていたのだが目は見えているのだろうか。私には目が閉じているように見えるのだが。

なんて思いながらジロジロと顔を見る。

「女の子なのに男の子っぽい名前なんだね」

失礼なんじゃないか?と思いつつも言えば、目の前にいる彼女は閉じていたのかわからない瞳を大きく開ける。

うわぁ、すごく綺麗な目だ

「ふふっ気にしなくていいよ。よく言われるんだ。」

大きく開かれた瞳はまた閉じられ、もう少し見ていたかったと、名残惜しく感じていた。

「ところで周ちゃんどしたの?」

勝手ながらもあだ名を決めて、首をコテンと傾げて聞いてみれば

「特に用はないよ、話がしたかっただけだから。」

と、また笑う姿に少し見とれつつも、この子とは仲良くなれそう、そんな直感抱き、その後も会ったばかりとは思えないほど仲良く話し込んでいた。

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作者名:モモモ | 作成日時:2018年5月17日 22時

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