2話 ページ4
「リョーマ〜、おいで〜」
Aは3歳となり幼稚園への入園が決まった。
そんなAであるが、今はリョーマと戯れている。
リョーマは不慣れな二足歩行で確実に一歩一歩と前に進み、呼ばれたAの元へと一生懸命歩く。
「あとちょっとだよ、リョーマ、頑張れ!!」
一歩一歩と、近づいてくるリョーマに声援を送っていれば、リョーマはもう目の前にいて、ギュッと、効果音でもなりそうなほどの勢いでAに抱きついた。
「可愛いよ〜リョーマ」
抱きつかれた嬉しさにAもぎゅっと抱き締めれば腕の中にいるリョーマが、うー、と唸っていた。
「ごめんねリョーマ、苦しかったか」
それに気づいたAは抱きしめていた腕をゆるめると、リョーマは腕の中からAを見上げ、ニコリと笑った。
可愛いよリョーマ、可愛すぎるよなんて思い、またぎゅっと抱きしめていれば、お母さんがどこからかやってきて
「A、そろそろ幼稚園の時間だからいくよ」
なんて言うものだから、まだリョーマと一緒にいたいと言う思いを閉じ込め、不本意ながらも
「わかった」
と、答え、お母さんは私の前にいたリョーマを抱きかかえて、越前家へと返しに行ってしまった。
なんてことだ、リョーマがいなくなってしまった。
ただ一時の間離れているだけだと言うのにこれだけの落ち込み。そんなAに少し呆れながらも
「さっ、早く行くよ」
静香は容赦なくAの手を引き幼稚園へと向かった。
76人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:モモモ | 作成日時:2018年5月17日 22時