天使と悪魔

４ ページ17

ガラッ


「お、おはようございます」


愛子さんが教室に入ってきた。


「あ！愛子、おはよーっ！」


瑠美波ちゃんが、にーっこり笑って愛子さんに近寄っていった。


「おはよー！」


「愛子さん、おはよう。」


「あー！白浜！」


次々と皆が声をかける。


突然のことに、驚く愛子さんだったけど、すぐに笑って、


「皆、おはよう！」


と、嬉しそうにいった。


愛子さん、信じちゃダメっ！


そう言えたら、どんなに楽だったのだろうか。


私は席に着いて、見て見ぬふりをした。


周りから見たら、仲の良いクラス。


でも、状況を知っている私は、その残酷な光景を目をそらすことしかできなかった。


奏芽が、隣にガタッと座った。


いつもなら、仲良く話すんだけど今日は無理。


沈黙が苦しくて苦しくて仕方なかった。


ホームルームまでの時間が苦痛だった。









早くも、１日が終わり、油断作戦は、終了。


明日から、またいじめが始まる。


生徒会メンバーで帰っていると、香里菜ちゃんが


「なー、山本どーすんの？」


うっ


「あー、有希に暴力振るったもんねぇ、ただで許すわけにはいかないよねー！」


いや、あなた達も暴力振るってるよ。


「ねぇ、」


夏蓮ちゃんが、ニヤッと笑って何かを言おうとした。


嫌な予感がする。

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