9話 ページ10
それから、しばらく経ってようやく私は悲鳴嶼さんとの柱稽古を終えた。
炭治郎君の方が先に稽古を終え山を降りてしまった。
私の方が先輩なのに情けない話だ。
「不死川の継子……これから話す事を……人に他言しないでもらいたい…………」
『ひ、…悲鳴嶼さん……その前にお水貰ってもいいですか……』
岩動かした後なので正直休みたい。
・
少しして、まともに話ができるようになったので
悲鳴嶼さんと話をした。
「不死川の弟の玄弥の事だ………彼は、呼吸が使えない」
『呼吸が?では何故隊士に?』
「不死川に謝りたいのだそうだ……」
『師範に?』
過去の事を謝りたいのだろうか。
師範に″人殺し″と言ったことを、彼はずっと悔いていたのだろうか。
「玄弥は、呼吸が使えない代わりに鬼を食べ………鬼を狩っている」
『鬼食いを…!?』
それは師範もキレるわけだ。
炭治郎君はこの事を隠していたのか。
「左様……鬼食いをしてまで鬼殺隊に居るのは……
全て不死川に謝りたいという思いゆえ………」
『そうですか…。師範はそれを知ってこの前の騒動があったんですね』
「不死川兄弟を……見守ってあげてほしい……」
『…そうですね。また屋敷の障子を吹っ飛ばされても困りますから…』
悲鳴嶼さんともう少し話して、
玄弥君の事は他言しないと約束をし、山を降りた。
どうにかして、2人が、不死川兄弟が昔の様に話せたらいいのだけれど、事はそう上手く進まないだろうな。
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作者名:まゆ | 作成日時:2023年5月8日 1時