五話 ページ6
３人目の柱は恋柱、蜜璃さん。
「Aちゃーん！いらっしゃい！」
『お世話になります、蜜璃さん』
蜜璃さんとは、任務がない非番の日によく甘味処へ出かけている。
蜜璃さんはいろんな美味しいお店を知っているので、
師範へのお土産におはぎを一緒に選んでくれることもあった。
私は女性なので元々体が柔らかいため、蜜璃さんの稽古はそう辛いものではなかったが
やはり彼女の人の7倍も強い筋力で無理矢理ほぐされるのは少々痛かった。
男性隊士は地獄のような稽古だろうな…。
『蜜璃さん、痣の発現についてもう一度詳しく教えてもらってもいいですか』
「あれ？不死川さんから聞かなかったの？」
稽古が終わり、もう夜遅いから泊まっていきなさい。
と通された部屋で蜜璃さんに痣について尋ねてみた。
今は晩御飯を一緒に食べているが、やはり彼女の食す量は私までお腹いっぱいになる程だ。
『私が聞いてもお前には一生縁がない。とだけしか言わなくて』
「そうなの…？じゃ、じゃあ私も言わないほうがいいのかもしれないわ…！」
『教えてください。…師範を守るためには私はもっと強くならなくちゃいけないんです』
蜜璃さんがかなり困った顔をしている。
そんなに言いにくいことなのだろうか。
「ごめんね、やっぱり不死川さんが言わないことを私から言う事はできないわ…」
『そう、ですか…』
どうして師範は私に痣の発現について教えてくれないのだろうか…。
「痣の発現がちょっと難しいの。
不死川さん、きっとAちゃんに無理してほしくなかったのよ」
『そうでしょうか…』
そんな簡単な理由なら、師範は気にせずに教えてくれそうだけれど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 87人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まゆ | 作成日時：2023年5月8日 1時
