4話 ページ5
それからしばらくして柱稽古が始まった。
最初は音柱、宇髄さんによる基礎体力の向上を図る。
腕立て伏せや背筋などの筋力を鍛えるトレーニングをひたすらこなしていく。
ほとんどの隊士はこの時点で地面に突っ伏していたが…。
私はまだここでへばる程柔ではなかった。
師範の方がもっとどぎつい訓練をするから。
あの人は死にかけてても平気で私の上に乗って腕立て伏せをさせる。
あの時は本当にどついてやろうかとさえ思った。
3日かけて宇髄さんの許可をもらい次の柱の元へ向かった。
二人目の柱は霞柱、無一郎くんの高速移動の稽古。
これに関しても師範によく言われていた。
風の呼吸を使用するためにはどのような状況においても、
常に体幹をブレさせる事なく技を出さなければいけない。
体幹を保ったまま、動き続けるために素早く動くことが重要だと何度も聞かされていた。
「流石だね。しっかり体幹を保ってしなやかに動けてる」
『ありがとう。無一郎くんもかなり動きが早くなったね。
やっぱり上弦と戦うと変わるものなのかな』
「痣が発現してから体の調子がいいんだ」
『そういえば、上弦との戦いで痣っていうのが発現したんだっけ』
師範は痣については教えてくれなかった。
蜜璃さんから少し聞いたけれど、師範が教えてくれるだろう。と詳しくは聞かなかったのだ。
痣について教えて欲しい。と頼んだけれど
「お前には一生発現しないものだから気にせず稽古を続けろ」
と言われてしまった。
「…じゃあ次の柱の所に行っても大丈夫だよ。頑張ってね」
『ありがとう、無一郎君。体に気をつけてね』
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作者名:まゆ | 作成日時:2023年5月8日 1時